評価制度の欠如は不満やクレームの温床…出題範囲や合格点のわからない試験勉強
仮に一定のハイスペック人材を確保しようと思えば、採用コストを惜しんでいる場合ではありません。よって、採用コストを抑えたい企業は、採用したエンジニアをいかに有益な人材へと成長させていくことが出来るかが、ポイントとなります。
つまり、教育システムの整備が必要です。しかし、ここでも評価制度の欠如が問題となります。
そもそも評価制度とは「組織の構成員を組織が目指す方向に進ませるため」に必要なものです。つまり、評価制度がない状態は、「組織が目指す方向=ゴール」を設定できていない状態といえます。この状態で仕事をするということは、出題範囲や合格点が全く分からない中で試験勉強をしているようなものです。
「ここも出題範囲だなんて聞いていなかった。」「今までは合格ラインは70点だったのに、今回の合格点は80点だったと後から発表されても納得がいかない。」このような不満やクレームが出てもやむをえません。
さらに、評価制度があっても評価項目をあいまいにしていると、評価者によって評価にバラつきがある状態を作ってしまうという問題も出てきます。同じ回答でもA先生は〇にしているが、B先生は×にしている。こんな試験を行っていては、クレームが続出するのは明らかです。
評価制度がない、またはあいまいな評価制度しかない状態では、教育システムを作ろうにもその方向感が定まらず、作っては変更の繰り返しとなります。そのため、教育コストが嵩むのは当然です。さらに、この環境が離職を増加させ、また採用コストが増えるという負のスパイラルを生んでいきます。