経験や置かれている環境によって「ルール」は異なる。
「それぞれが行うことに、上司からの細かい取り決めがない組織運営で、できる限りルールがない組織運営だからこそ、それぞれが自発的に動き、目標達成に向けたアイデアを出し合い、それらが融合することで組織は急速に成長していく。そして、一人ひとりは自分の提案したアイデアが形になっていくことにやりがいを感じて生き生きと仕事をする」
これは、一見、理想的な組織運営であるように感じます。しかし、結論から言うと、これで正常に組織運営をし続けることは不可能です。なぜなら、「ルールがない」と言っても、実際には、各人が独自のルールを持っており、各人はその独自のルールによってあらゆる判断をしているからです。例えば、新入社員と中途社員では個人が持っているルールに違いがあって当然です。中途社員が持つルールには、これまで属してきた会社のルールが少なからず影響を与えています。
また、学生時代にいわゆる体育会組織のような規律の厳しい組織にいた人間と、そうでない人間とでも、個々が持つルールには違いがあります。ルールが違うということは、「解釈がずれる」ということです。つまり、会社内で起きる一つの事象に対して、ある人はAだと考え、ある人はBだと考えるということです。