イオンモール釧路昭和にある医療法人社団愛北オーク歯科クリニックは、7台のユニットを持ち、虫歯治療からマウスピース矯正、筋機能訓練による小児矯正、スウィング治療などを手がける歯科医院だ。
開業から四半世紀にわたって釧路市民の口腔の健康を支えてきた同院は、2022年4月より識学の受講を開始し、組織改善に乗り出している。
今回は、同院の柏尾達也院長と妻の円華副理事に、識学導入の経緯や院内に起きた変化について話を聞いた。
会社名 |
医療法人社団愛北 オーク歯科クリニック |
所在地 |
〒084-0910 |
代表者名 |
院長 柏尾 達也 |
事業内容 | 一般歯科、矯正歯科、スウィング治療(咬み合わせ治療)、ホワイトニング |
企業サイト |
https://oakdc.jp/ |
問:まず、識学を導入する以前のお話からお聞かせください。組織を運営していく上で何か課題を感じていたのでしょうか。
達也氏 特に大きな悩みを抱えていたわけではありません。ただ、院長不在でも回る組織をつくりたいという思いがありました。最近は、「経営する側がスタッフのモチベーションを引き上げるべきだ」という主張が広く受け入れられていますが、私は否定的です。飲み会を開いてその後2~3日はスタッフのモチベーションは高いままかもしれませんが、すぐにその熱は冷めてしまうためあまり意味がない。それよりも、スタッフが当たり前に仕事をして結果を出し、正当な評価が与えられる組織の方が望ましいと考えていました。
円華氏 スタッフ一人ひとりが自ら動く組織ではありませんでした。みんな前向きでよい子たちなのですが、組織としての力強さはもの足りないという感じです。
問:なるほど。その状態を打開するために情報収集に努めていたのでしょうか。
達也氏 セミナーに参加したり本を読み漁ったりしていました。何度か経営コンサルタントに入ってもらったこともあります。しかし、どれもしっくりきませんでした。
円華氏 院長は、「どれだけお金使ったの?」って聞きたいくらいたくさんのセミナーに出ています。
達也氏 怪しいセミナーには出ていませんよ。
問:すごく勉強されていらっしゃったのですね。識学についてはどのような経緯でお知りになったのでしょうか。
達也氏 安藤広大社長の著書を読んで知りました。「飲み会や慰安旅行は必要ない」「社員を褒めてはいけない」「プロセスではなく結果を重視すべき」などの言葉が並んでいて、一見冷たい感じはしますが、よさそうだなと。その後、歯科医師が集まるセミナーで、「識学を取り入れて組織が大きく変わりました」と、ある先生から話を聞く機会がありました。その方とは面識がなかったものの、すごく気になったので識学の無料相談に申し込んだのです。
問:ありがとうございます。識学はよくあるマネジメント法とは正反対の内容ですが、無料相談後すぐに導入を決断なさったのでしょうか。
達也氏 いえ、識学の考え方自体は嫌いではなかったので、当初担当の遠藤さんから無料相談で聞いた話もすんなり受け入れられました。しかし、それを勉強していかねばならないと考えたとき、私のタスクが増えることに懸念がありました。私が習ってそれを社内に落とし込むか、誰かと一緒に受けて、その人に任せながらやっていくか。悩みましたが、「2人同時の方がよい」と提案してもらい、妻が一緒に受ける役を担ってくれました。それでかなり前向きになったのですが、導入費用がそれなりにしますから、なかなか踏ん切りが付きませんでした。
円華氏 すごく悩んだよね。
問:踏み切った理由は何でしょうか。
達也氏 最後は、これまで学んだ内容と正反対だからこそいけるかもしれない。どうせやるならやってしまえという勢いです。
問:2022年4月から識学の受講が始まりました。識学の理論のなかで、特にここがよかったという点はありますでしょうか。
達也氏 たくさんあります。まず、個人の役割や組織図の明確化によって、指示系統が整いました。
円華氏 スタッフが5人程度であれば、一人ひとりに直接指示を出しても全員が同じ目標に向かって進んでいけます。しかし、20名を超える当院のような組織だとそれではうまくいかず、スタッフがばらばらな行動を取っていました。識学の教えに従って直属の上司と部下間でのやり取りを徹底した結果、スムーズな情報の伝達が可能になり、上から全体を見渡せるすっきりした組織に生まれ変わりました。以前は多くのスタッフが直属の上司を飛ばして私に何か言いにきていましたが、一切なくなっています。
達也氏 正直に言うと、組織の正解の形をよく分かっていなかったため、こうした体制の部分は課題と思っていませんでした。識学を学んでここに課題があったと気付けたのです。それと、私は姿勢のルールが非常に役立っていると感じます。以前もルールはありましたが、スタッフが勝手な解釈を挟む傾向があり、対処に苦労していました。姿勢のルールが固まった今は、こちら側が淡々と「ルール通りにしてください」という指導だけでよくなり、マネジメントが楽になっています。
円華氏 姿勢のルールに、「仕事をする際必ず期限を設定する」という項目を入れています。そのおかげで期限を守ろうとしないスタッフはいなくなりました。間に合いそうにないときは、期限の延長を求める理由と次の期限を伝えるという意識が浸透しています。
達也氏 以前は、期限を決めてもいつの間にか埋もれている、「あれどうなったっけ?」という事態がよくありました。
円華氏 もちろん、全ての問題が一掃されたわけではなく、改善点はまだまだありますが、大きな変化が起きたのは間違いありません。何か問題が起きても、ルールに立ち返った上で前を向けるようになりました。そういうよりどころができたのです。
問:スタッフの皆さまは抵抗感なく受け入れたのでしょうか。
達也氏 抵抗があったスタッフはいたかもしれません。しかし、噂で聞いたような、「社員の大半が離職した」なんて事態は起きませんでした。
円華氏 そんなことが起きないよう担当コンサルタントの三浦一晃さんにすぐ講義をしてもらいました。私たちの言葉で説明するよりも早いだろうと。それがよかったのでしょう。
達也氏 評価制度も完成したので、どれだけ機能していくか楽しみです。
問:もともと、評価制度はどうしていたのでしょうか。
達也氏 他のコンサルティング会社に入ってもらい、何度か明確な制度の構築に乗り出しましたが、うまくいきませんでした。
円華氏 完成したものを見ても、チェック項目があり過ぎるためにぼんやりしていてよく分からない仕組みになっていましたね。
達也氏 担当の三浦さん、遠藤さんからは、何をどう評価すべきか明確に示してもらい、制度の構築をサポートしてもらいました。すごくシンプルで、雇う側も雇われる側も納得の形になっています。今後、見直しは必要ですが、初めて「これなら活用できる」と手応えを得ました。
円華氏 スタッフごとの毎週、毎月の売上高は公開していますので、明確な評価制度の下、互いに切磋琢磨しながらスタッフが自ら考え、目標達成に向けて努力しようとしています。みんなで力強く組織を回せていると思います。スタッフも目標の達成を重ねてくると生き生きとしてきます。見ていて気持ちがよいですし、こちらも感謝の気持ちも伝えやすい。モチベーションを高めるために無理やり褒めるポイントを見つけ出す必要はありません。変な厳しさもなく、とてもよい雰囲気になっています。
問:どのような経営者に識学の受講はお勧めでしょうか。
円華氏 新規開業しようとする歯科医師は、資金に余裕があるなら絶対に始めた方がよいです。
達也氏 分院展開する院長も。
円華氏 私たちが分院展開するなら、同じ形で入れたいよね。
達也氏 もちろん。でないと分院展開は無理です。というより、歯科医院に限らず、会社の規模を大きくさせたい全ての経営者に識学はお薦めです。ただし、合う人と合わない人がはっきり分かれるかもしれません。私はすごく満足しています。
円華氏 感覚やひらめきも大切ですが、それだけに重きを置いていると組織に混乱が起きたとき簡単に倒れてしまいます。トラブルに動じず、すぐに立ち直れる組織は強い。識学を取り入れるとそんな組織へ成長できます。
問:本日は貴重なお話をお聞かせくださり、ありがとうございました。
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