識学理論の実践に尽力
ーーなぜ識学に興味を持ち、入社することになったのか教えてください。
『リーダーの仮面』を読んで、自分がやって来たことが全て間違いだったと気づきました。書かれているとおり、自分のやり方では部下は決して成長しないと悟り、「この本は凄い」と感じたのです。そこで、早速見よう見まねでマネジメントを変えてみると、半年もするとうまく回り始め、識学理論が正解であると実感できました。
私は学生時代からその時まで20年以上、化学の世界で技術領域を手掛けてきました。優れた消火剤の開発で社会貢献するのもいいけれども、より大きな視点で、自分と同じような間違ったマネジメントをしているより多くの人の役に立つほうが、日本の化学業界に貢献できるのではないかと考えたのです。また、技術職であっても人に接することが苦手ではなくコンサルティング職にも関心がありました。そこで識学に入社することを思い立った次第です。
ーーこれまでのコンサルタント活動の中で苦労した経験を教えてください。
識学理論を伝えるだけで、お客様が「いいことを聞いた」と満足し、実践に至らないケースがあります。識学理論は頭の中にあるだけでは意味がなく、実際に組織マネジメント変革に繋げていただかなければなりません。そこに苦労を感じています。
ーーそれをどのように乗り越えたのか教えてください。
実践に至らないのには、「業務が忙しい」「いきなり実践して部下に離反されるのが心配」「組織改編の予定があり、その前にやっても無駄」といった理由がありました。これに対し、そもそも組織の問題を解決させたくて識学にアプローチされたお客様に対し、「やらなければ、変わらないままです」と再認識を働きかけています。その上で、組織図や役割定義といった成果物の作成の締め切りを設け、プッシュしています。「時間がある時に」などと忖度しているのは、お客様のためにもならないからです。
ーーこれまでのマネジメント支援(トレーニング)の中で一番印象に残ったケースを教えてください。
マスタートレーニングがまだ進行中のお客様ですが、「識学を実践し始めて組織が整い始めている実感がある」と言って頂けたケースです。そのお客様は社長含めて5人という小規模で、すべてを社長が取り仕切っていましたが、組織立った管理運営ができていませんでした。そこで、現状の組織図とともに、5年後の業容ビジョンを基にした未来組織図も作成してもらったのです。そこでは、必要となるポジションとその役割を明確にしました。これによって、従来の場当たり的な指示出しや対応から、ビジョンを意識した指示出しができるようになり、社員の動きも変わってきたということです。こうした動きを今後もサポートしていきたいと考えています。