貴金属や宝飾品、ブランド品などの買取専門店『おたからや』のほか、学習塾など計4つのフランチャイズ(FC)本部に加盟し、計14店舗を展開している東洋企業株式会社。事業のライフサイクルを意識し、異業種を組み合わせて安定成長を図り、「地域No.1のマルチフランチャイジー」を目指す。
2019年に現在の形に事業転換した同社は、スタート直後に複数店舗を管掌するマネジメントの壁に直面。そこで、数多くのマネジメント理論の中で最もフィットした識学を導入し、「行動量」を増やすマネジメントを軸に据えることで、利益率倍増などの成果に繋げる。
今後も識学理論の徹底を基軸に成長を図る構えだ。
そんな同社における識学導入のプロセスと効用について、大畑社長に聞いた。
会社名 |
東洋企業株式会社 |
所在地 |
〒466-0851 愛知県名古屋市昭和区元宮町4丁目37番 |
代表者名 |
代表取締役 大畑 典道 |
事業内容 | フランチャイジー事業 |
企業サイト |
問:大畑社長が御社で事業を始めた経緯をお聞かせください。
当社は祖父が1958年に輸出商として創業し、その後不動産業に転じました。父親が承継していましたが、2017年に亡くなり、従業員もいなかったことから休眠状態となりました。私はビデオレンタルチェーンのFC本部で働いていましたが、2019年の夏前に会社勤務のまま家業を承継して、飲食業と整体サロンのFCに加盟する形で事業転換をしたのです。
当時も若干の不動産を所有し家業を放置するわけにもいかなかったことや、子どもができたばかりで、勤務先での収入増のためのキャリアアップには拘束時間の増加が伴うことを避けたい思いもありました。
FC事業を選んだのは、私が十年以上スーパーバイザーに従事して理解していたからですが、逆に言えばFC事業しかできなかったとも言えます。また、当初から複数の異業種の本部に加盟したのは、一つの業態では波があり、ライフサイクル的にも10年続けばいいほうといった現実があることから、全体的なリスクヘッジと安定成長を図るための判断でした。一つの本部に加盟して100~150店舗を展開するようなメガ・フランチャイジーでは、その業態が厳しくなった時の軌道修正が非常に困難であることをよく見てきたからです。
ところが、スタートから1年も経たないうちにコロナによるパンデミックが世界規模で発生し、接客要素を含む2業態はともに頓挫してしまいました。相当な投資をし、従業員も雇用しています。会社勤務との二足の草鞋という中途半端なことではダメだと反省し、東洋企業の経営に専念することにしたのです。
その上で、数多くのFC業態の中から、本拠地である中部地区における発展性を第一に考え、2020年3月にまずは『おたからや』への加盟を決めました。主力の業態として、現在9店舗を展開しています。その後、個人指導塾の『スクールIE』、ハウスクリーニング『おそうじ本舗』、保護犬と暮らす障がい者グループホーム『プレミアムわおん』にも加盟しています。
問:2021年10月に識学の導入を決めるに至ったのは、どういった課題があったのでしょうか。
スタート当初から4名の社員がおり、1店舗だと人件費の割合が高くなることから本部が2店舗の物件を紹介してくれて、2店舗同時でスタートさせることにしました。そして、最初から意中の社員をエリアマネージャーに任命して2店舗のマネジメントを委ねたのです。
その後、徐々に店舗や従業員数が増えると、そのマネージャーがマネジメントに不安を覚え始めました。私も会社経営は初めてのことで、マネジメントの本は数々読んではいましたが、何か明確な理論などを基に指導するといったことができなかったのです。
問:識学導入の効用についてお聞かせください。
識学を導入して、まず利益率が倍以上に伸びたことが大きいです。それまで販促促進費が結構かかっていたので、識学コンサルタントと相談し半減させる目標を掲げました。そして、それまでの販促手段として折込チラシを打っていたのですが、これを出店しているショッピングモールでのティッシュ配布に替えたのです。正直、チラシを止めることで売上が落ちるのではないかとの不安がありましたが、従業員個々に配布する行動量のKPIを決めて実行したところ、結果的に売り上げを維持できたのです。販促物の配布対象者がショッピングモール来場者なので集客確率が高まったという要因もあると思いますが、従業員が頑張ってティッシュを配っている姿がお客様の印象に残っているという要因もあると思います。
この成功体験で、識学導入効果を全員が実感できたのが大きかったですね。
問:社内に識学の考え方が徹底されることで、社員の行動が変わったと。
まず、私が識学を学んでいなければ不安で踏み切れなかったように思います。踏み切って行動し、成果に繋げたことで社内に納得感が広がりました。そこで、新人の入社時から識学の周知を図ることにしたわけです。以来、何か方針を変更したければ、社内ルールを変更し周知すれば稼働するようになりました。組織運営が非常に行いやすくなりましたね。
残業が減ったことも大きいです。私は「社員が残業せずとも給料を上げられるようにしたいから識学を導入している」と訴えているのですが、社員はよく汲み取って生産性高く働いてくれていると思います。
問:識学に対する違和感のようなものはありませんでしたか?
最初の頃はありましたね。それまで優しく「いいよ」と言っていたことが言えなくなって、「これは自分が目指していたことなのか?」と迷う時期もありました。そんなことも、成果が上がるにつれてなくなりましたが。
問:今後の課題についてお教えください。
『おたからや』以外の業態がまだ本調子であるとは言えないので、さらなる識学理論の実践によってできることを追求していきたいと思っています。私は「残業してでもやれ」などと言えるワンマンなタイプではなく、それだけグリップが弱いのかもしれません。そこを、識学理論を徹底させることで実行力の向上と成果に繋げたいと思っています。
問:最後に、マネジメントに悩む経営者にアドバイスをお願いします。
何事も中途半端は逆効果で、良いと信じたことを覚悟して徹底すれば打開できると思います。そのためにも、識学のような第三者を活用することにメリットがあるでしょう。経営者が自分で言うと図らずしもパワハラチックになったり、一方的な印象となって従業員から受け容れ難い印象を持たれてしまいがちだからです。第三者に諭してもらうことで説得力が増し、受け容れてもらいやすくなる効用があると思いますね。
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