建設業界と医療・介護業界に特化したヘッドハンティングを手がけている、RFCパートナーズ株式会社。
2021年からは、新たに同業界におけるM&A仲介コンサルティング事業もスタートさせた。「新規事業に着手できたのも、識学を導入したことで自分が未来について考え行動を起こす時間をつくることができたから」と代表取締役の中野慶太氏は話す。
そんな中野氏が識学を導入した経緯や効用について、担当した識学上席講師の吉原将之と語り合った。
吉原 まず、中野さんはRFCパートナーズの運営にどんな課題があると感じていたのですか?
中野 前々職が同じヘッドハンティング業の会社でした。当時の社長に「数字を上げられない者は人間じゃない」という考えがあったため、険悪なムードに包まれた組織でした。
そんな体験があったので、2016年10月に当社を起業した時は、ティール型のフラットな組織をつくろうと決めました。フラットな組織を意識して、あらゆることについて全員の意見を聞き、その総意で決めてきました。
2年経って社員が4名ぐらいにまで増えると、メンバーのレベルは社長の自分とは「違う」と感じるようになりました。レベルが下のメンバーもいれば、中ぐらいのメンバーもいるわけです。
各メンバーとコミュニケーションを取っていると、フラットな雰囲気があるばかりに、「なんでこれをやらないとダメなんですか?」といったネガティブな意見や愚痴を言われることが増えました。自分の言うことを素直に聞いてもらえなくなるとともに、社員の不満に向き合うことに時間を取られて自分の時間がなくなっていったのです。
吉原 そんな状態を何とかしようと思って、ヒントを探したわけですね。
中野 そうですね。ネットでいろいろ検索していたと思います。はっきり覚えていないのですが、恐らく識学もヒットしたのでしょう、リターゲティング広告がよく表示されるようになりました。
そこで、つられてその広告をクリックすると、事例を紹介するマンガが表示されたのです。その事例が、全面的に当社と同じだったというわけです。「上の上司を飛ばして直接その上の上司に意見を言う」、といった内容がグサッと刺さりました。
たまたま識学を導入していた知人もいて、ちょっと話を聞いてみたところ「良かった」と言うので、さっそく識学さんの話を聞いてみることにしました。
吉原 そして、2018年の10月頃から翌19年の1月頃までトレーニングをさせていただきました。最初は、難易度ゼロの「社員の誰もができる姿勢のルール」をつくってもらっていましたが、御社ではどんな様子だったか、改めてお話しください。
中野 識学を導入する経緯などは、社員に話してはいません。一方で、「当社はこういう目標に向かい、そのためにこういう経営戦略を取るので尽力してほしい。
そのための第一歩として、朝出社したら『おはようございます』、夕方帰宅する時は『お疲れ様でした』と挨拶するというルールを決めたので従ってほしい」と伝えました。
それを社員に伝えた時、「今さら必要ですか?」「何でやらなきゃいけないんですか?」といった疑問の声が上がりました。それに対しても、「当社が価値を発揮して世の中に貢献するために必要な戦略の一環」と方針を説明しただけです。
吉原 識学では、「会社とは、目的を実現するために経営戦略を実行する人材が集まっているだけのシンプルな存在」と考えます。
その経営戦略を進める最高責任者が社長であり、社長は経営戦略を進める上で様々な部署の社員に役割と責任を果たすよう指示を出し、現場はそれを実行するという、極めてシンプルな構造で動いているわけです。
社員が上司の指示に集中して取り組めていることが、組織運営の土台になります。都度の指示に対して、「やる必要があるのか?」という疑問を呈するのは、やるかやらないかは部下にも判断の余地があると思っていることになる。そんな組織の在り様では、戦略の実行のスピードが遅くなるのです。
難易度ゼロの指示すら素直に従えないのに、もっと高いレベルの指示に従うことができるのか?そんな組織で前に進めるのか?という問いかけが、「姿勢のルール」づくりには含意されているわけです。
中野 識学を導入してから、私の社員に接する態度が変わったわけです。戦略を伝え、やるべきことを指示するだけで、それまで聞いてもらった愚痴を聞いてくれなくなった、冷たくなったと。当然、そんな社員には不満が残るというハレーションを起こし、一人、また一人と辞めていきました。気がついたら7割ぐらいの社員が辞めましたね。
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