トレーニングどおりの実践で効果に
ーーなぜ識学に興味を持ち、入社することになったのか教えてください。
前職の店長職にあった時、ずっと同じ会社にいて同じ仕事をし続けることの将来を案じていました。肉体労働でしたし、アルバイトスタッフに頭を下げるような仕事の仕方をこの先も続けるのか、と。そこで、36歳の当時、違う仕事も視野に入れてみようと、転職サービスに登録しました。
と言っても他業界を経験しているわけでもなく、年齢的にも簡単ではないだろうと思っていたので、「自分の市場価値を調べてみる」くらいの気持ちでした。案の定、スカウトが届くのは小売業や飲食業ばかりだったわけです。こちらから応募書類を送った企業も何社かあったのですが、全て書類選考で落選しました。そして登録してしばらく経った頃、「選考を受けてみませんか」と勧められた企業に、当時自分が株式投資していた識学があったのです。試しに書類を送るとその識学から書類選考通過の連絡を受けました。せっかくならちゃんと準備しようと安藤代表の著書を読み、動画も見て最終面接に臨んだら、帰りの電車で内定の通知をもらいました。
そこで初めて前職の継続と識学への転職を天秤にかけ、後悔しないと考えたほうを選びました。
ーーこれまでのコンサルタント活動の中で苦労した経験を教えてください。
当初は、マニュアルどおりに識学理論を説明することしかできず、伝え切ることができませんでした。クライアントから「こう描いたほうがわかりやすい」と仕組み図を修正されたこともありました。
ーーそれをどのように乗り越えたのか教えてください。
識学で言う「尺度」、知識と経験の総量を上げるしかないと考え、人との会話や報道に接した際に物事を識学的に考える自主トレーニングを行いました。こうしていくうちに、徐々に識学理論を様々な事象に当てはめて説明できるようになったと思います。
ーーこれまでのマネジメント支援(トレーニング)の中で一番印象に残ったケースを教えてください。
識学理論を説明すると「問題点が明確になった」と評価して頂き、トレーニングで伝えたとおりに実践してくださっているクライアントの存在です。当たり前のことですが、伝えたとおりに実践してもらえないと全く改善する兆しが現れません。一方、実践していると徐々に変化が表れてきます。
ある経営者は、従業員とよく飲みに行くなどして部下の機嫌を取り続けていたことで、上司部下の位置がズレてしまっていました。そこで、識学導入以降、位置を正すようになると、従業員はその経営者を評価者として再認識するようになりました。まだ利益が倍増するといったような成果には繋がっていませんが、じきにそうした結果が出るだろうと見ています。