識学に沿った評価制度で、お客様の業績が大幅拡大した
ーーなぜ識学に興味を持ち、入社することになったのか教えてください
識学について調べていくと、早稲田大学のラグビー部に識学の組織マネジメント理論を取り入れたと知ったんです。企業だけでなく、スポーツチームすらも強くしてしまう理論に興味を持ちました。それと同時に、それまでやっていた自分のモチベーションマネジメントをことごとく否定されていることに衝撃を受けたんです(笑)。確かに飲みニケーションなどをすれば部下との距離は縮まりますが、上司と部下の関係性が薄れてしまいます。
私自身の経験からそういったマネジメント方法を良しと考えて実践していただけで、間違えていることにすら気づいていませんでした。他にも勘違いしている組織はあるはずなので、「識学のマネジメント理論を広く伝えていかないといけない」——そう思い、転職を決意しました。
ーーこれまでのコンサルタント活動の中で苦労した経験を教えてください。
1年ちょっとコンサルタント活動をして感じたのは、感情的なマネジメントを当たり前のようにしている企業さまが多いということ。私も同じようなマネジメントをしてきたので、経験も踏まえて間違っているとお伝えするのですが、中には、「識学の有利性は分かるけど、納得できない」と反発されるお客さまもいらっしゃいます。私よりも圧倒的にキャリアが豊富なお客さまも多いので、識学のマネジメント理論を伝え、実践していただくことの大変さを痛感することもあります。
ーーそれをどのように乗り越えたのか教えてください。
お客さまの反発に対して「合わないなら終わりにしましょう」と感情的になったりするのではなく、腹落ちしていただけるまでひとつずつコツコツと伝えるようにしています。その際、すべてを否定するのではなく、私もマネジメントで行き詰まっていた経験から、今のマネジメント方法のメリットを伝えた上で、「では、デメリットはないですか?」とお聞きすると、「確かにこういう点が良くない」といった感じで少しずつ共通の認識が増えてくるんです。実践していただく難しさを痛感する反面、伝わって効果を上げていただいた時はとてもやりがいを感じます。
ーーこれまでのマネジメント支援(トレーニング)の中で一番印象に残ったケースを教えてください。
10年ほど飲食店を経営されている社長さまの話なんですが、トレーニングを始めて1ヶ月が経った頃に「過去最高の売り上げが出た」と嬉しいご報告をいただきました。というのも、その社長さまも距離を縮めるモチベーションマネジメントをされていたんです。その結果、責任の範囲や役割が曖昧で、コミュニケーションを取っていながらも、現場の店長たちは「社長から何を求められているのか」が明確ではありませんでした。
そこでまずは、スタッフと距離を置くことを伝えるとともに、現場の店長たちに対し、やって欲しいこととその理由、そしてそれが評価になることを明確にしていただくように伝えました。すると、それまでずっとスタッフ自身で考えて悩んでいたことが明確になっただけでなく、余計なことで悩むことがなくなり、社長さまから求められることに集中できる環境が出来上がったんです。新たなシステムを導入するなど、抜本的な改革をしたわけではないので、私自身、識学のマネジメント理論の正当性を実感したエピソードでもあります。