―識学を知った経緯を改めてお聞かせください
確か、2016年に知人から「識学を知っていますか」と聞かれたことがあります。
当時、私は個人事業主として一人でコンサルティングをしていましたから、組織論にはあまり関心がありませんでした。識学の名前を耳にしたのはそのときが初めてです。
―識学を導入いただいたのは2021年4月ですね。その頃には組織運営に課題を感じるようになっていたのでしょうか。
はい。
個人事業主から10名程度のメンバーを抱える組織になったのですが、何もかも私に依存しており、どうやって会社を効率よく運営すればよいか分かりませんでした。
―具体的には、どのようなことに悩んでいましたか。
コンサルタントの育成ができないことです。全員がリモート勤務であるため、一挙手一投足に目を配れません。というより、そもそもコンサルタントを育成できるなんて思ってすらいませんでした。
「他人が真似できない価値を生み出したい」と思い、設立したのですが、それゆえに社内の誰にも代わってもらえなかったというわけです。
ただ、それだと私の稼働の限界が売り上げの最大値となり、それ以上の事業拡大は望めないという段階へ早々に至りました。
私は新卒で入った会社を1年で辞め、マネジメント経験なく独立しています。
そのため、10人弱くらいまでは即戦力を集めてきて、なんとか組織を運営できていたのですが、それ以上の人数をマネジメントするイメージは湧きませんでした。
ここからどうやって成長させていくか、試行錯誤の毎日でしたね。
私がマイクロマネジメントをしていたこともあり、メンバーが増えるに伴って、マネジメントコストも増え、社長業を出来ない状態になっていました。
加えて、メンバーを思考停止状態にさせていることもありました。「小林さんからのタスクをこなしていればいい」というように。
マイクロマネジメントは、社長の時間を奪い、部下の成長を阻害する悪だな、と今では思います。
識学で組織化に成功した顧客の話を聞き、導入を決断
―識学の名前を知ってから受講を始めるまでの間に、識学の考えに触れる機会はありましたか。
タクシー内の広告を見て、識学社の安藤広大社長が書いた『伸びる会社は「これ」をやらない!』を読みました。
―そのことが受講のきっかけなのですか。
いえ。識学の考え方には共感できるものがありましたが、どのようなサービスを受けられるのかイメージができませんでしたので、著書を読み終わったときはまだ識学を受けたいとは考えていませんでした。
受講の決め手は、当社の顧客のなかでトップクラスに事業が伸び、組織化が進んでいる会社が識学を導入していると知ったことです。
その会社の事業内容からして、非常に属人的なものであるはずなのに、人材育成もうまくいっているように見えました。
なぜなのかと理由を尋ねたところ、「識学を入れているからです」と。それを聞いて、すぐに当社も始めようと思ったのです。
―他のサービスの利用は検討しましたか。
検討していません。
ただ、識学導入前に当社のミッション、ビジョン、バリューをあるコンサルティング会社とつくり、識学のトレーニングを受講中に、組織を大きくしていこうというフェーズに入ったことから、もう一度その会社に頼んで修正してもらったことはあります。
識学社では、ビジョンづくりは請け負っていないんですよね。