ー お客様の声 ー

識学を学び 自分たちの可能性が
開けていく感覚を得た

株式会社 PR TIMES 山口 拓己 氏

プレスリリース配信サービス等を運営する株式会社 PR TIMES。

東京証券取引所プライム市場に上場している同社は、
2018年から識学を導入している。

同社の山口拓己社長に、識学導入の経緯と組織内に起きた変化について聞いた。
会社名 株式会社PR TIMES
所在地 東京都港区赤坂1-11-44 赤坂インターシティ8F
代表者名 代表取締役 山口 拓己
事業内容 プレスリリース配信サービス「PR TIMES」の運営
広報・PRの効果測定サービス「WEBクリッピング」の運営
オンライン上で話題化を図るデジタルPRの戦略立案・実施
動画PRサービス「PR TIMES TV」「PR TIMES LIVE」の運営
カスタマーリレーションサービス「Tayori」の運営
タスク・プロジェクト管理ツール「Jooto」の運営
スタートアップメディア「BRIDGE」の運営等
企業サイト https://prtimes.co.jp/

自分が成長できていないという危機感があった

―識学を導入しようとしたきっかけについて教えてください

2018年頃、スカイランドベンチャーズ(CEO)の木下さんが、SNSで「識学をやりましょう」とハッシュタグを付けて投稿していたんです。その後、木下さんから「この本とてもよかったですよ」と、識学社の安藤社長が書いた『伸びる会社は「これ」をやらない!』の写真付きメッセージが送られてきました。すぐに購入して読みました。これが意外といっては失礼ですが(笑)、とても面白かったんです。

「経営理念を社員全員に理解させるのをやめる」「管理職に部下のモチベーションを上げさせるのをやめる」など、目次には釣りのようなタイトルが並んでします。しかし、ウケ狙いで常識とは逆をいく発想をしているのではなく、リーダーのあり方が書かれていました「冷徹な経営に徹すべし」と断じる本でもなければ、「軍隊のような組織を目指せ」と説く本でもない。いかにして組織を純度の高いチームにするか、その原理原則が書いてある本だと感じたのです。

この本を読んだのは、当社が上場してから2年が経過した頃であり、当時の私は、会社が成長しているにもかかわらず、その成長に合わせて自分が成長できていないと感じていました。私は上場をスタート地点にして、さらに事業を伸ばしていくつもりでしたが、意図に反して成長の踊り場を迎えて、上場ゴールのような状態に陥ってしまう危機感があったのです。

―どのようなことから「成長できていない」とお感じだったのでしょうか

たとえば、役員や部長が、たまたま一度だけ失敗したというわけではなく、比較的長い間結果を残せなかったとします。そんなとき、経営者としてどうすればよいのか、模範解答を持っていなかったんですよね。自分が解決しなければいけないのに、それができない。そんな課題をずっと抱えながら走り続け、しかもそれが事業に対して悪影響を及ぼしているという意識が常にあったのです。

それと、もう一つ感じていた課題があります。いわゆる「プリンシパルとエージェント問題」です。「仕事を請け負うエージェントが、仕事を依頼するプリンシパルの要望に反して自らの利益を優先させたとしても、プリンシパルに気づかれない」というこの問題が、役員や部長で起きていました。

つまり、役員や部長が会社の目的ために重要な役割を担うのではなく、それぞれ個人的に満足だと思うレベルで仕事をしてしまうことによって、会社の目標からかけ離れた結果であっても良しとしてしまう空気が生まれてしまっていたということです。そのとき、プリンシパルである社長の私は、役員や部長に対して打ち手が限られます。。。

当社のバリューには情報の非対称性をつくらない「Open」という言葉を入れていて、「皆に情報をオープンにしましょう」と伝えていました。それでも、情報がオープンになっているかどうかの判断が各自に委ねられるとしたら、どうしてもプリンシパルとエージェント問題が起きてしまいます。私がプレーヤーとして動くことが減り、社内に部門が増えていくほど、この問題が起こりやすくなっていました。

自社の理念と識学理論が相反したとき
「and」で考えられるか

その後、安藤社長とお会いする機会を得ました。そのとき、「組織が停滞している原因は山口さんにあります。
まず山口さんが変わらないと、この組織は変わりません」と言われたのです。それで、識学の受講を決意しましたね。

組織変革のプロジェクトというと、組織の大多数を変えようとするイメージがありますが、安藤さんは違いました。私自身が成長できていないという問題意識と、私が変わらなければ組織が変わらないという安藤さんの考えが、ぴったりと一致したのです。

今だから話しますけれども、見積書を見たときは、「うわ、高い」ってひるみましたよ。とはいえ、せっかくやるのに効果が出なければ意味がないですし、それだけの価値を自分で出さないといけないという決意にもつながり、燃えましたね。

―識学を始めてどのように組織が変わりましたか

重要な役割を担う管理職が結果を残せないときは、設定した役割を満たすに値しないと判断し、その役割を解くというルールを設定しました。一般的な言葉でいうところの降格ですね。それまで降格制度はありませんでした。

当社では、ここ数年人事異動を開示しています。それらの変遷を見てもらうと、私たちの言葉でいう「抜擢」と「役割の解消」、つまり昇格と降格が頻繁にあることが分かるはずです。

それがよいかどうか、決まった答えはないでしょう。ただ、少なくとも当社ではそれらがうまく機能していると思っています。もちろん、誰であれ降格するのは嫌ですし、社員を降格させるのも気持ちがよいものではありません。安藤社長の本にも書いてあるように、一緒に働いている社員に嫌われたくないじゃないですか。社員は頑張っているわけですから。

ただ、一度責任者の立場から降格になって、一般社員と同じ待遇から再スタートして、別の役割で部長になった社員もいます。これって、本当に嬉しいんですよね。

―識学の内容について戸惑いはありませんでしたか

識学でも、他の理論でもそのまま受け入れるのではなくて、自分で考えて、自分の行動様式に落とし込むこと、会社の理念に沿ってオリジナリティのある事業や組織をつくることがとても大切なんだと思います。そのなかで、識学は原理原則として非常に有効です。

ただ、場合によっては理念と相反することが起こり得るでしょう。そうなったときに、「and」で考えられるかどうかは大切だと思います。

会社の理念と識学理論のどちらが重要かと言えば、明らかに会社の理念です。例えば、識学では、「ヒエラルキーをつくりましょう」と教えていますよね。けれども、私たちの理念はフラットなので、ヒエラルキーはつくりません。また、識学の教えでは「社長室は必要」です。安藤社長は、社員と通用口を分け、社員と会わずに部屋に入るそうですけれども、私はそうはしません。

人から見ると、識学を否定して理念を選んでいると思う方がいます。しかし、識学を学んでいる人であれば、決してそんなことはないと分かるはずです。

安藤社長が「社長室を作るべき」と言っているのは、そうしないと楽しさから社員への声かけをやってしまう社長が多いからでしょう。実は、かつての私もそうでした。ランチにいったり、飲みにいったりしたときも、社員から相談を受けたら全部解決してあげたくなるものです。でも、そんなことをしてしまうとその部下の直属の上司たちはやりにくいですよね。

だから私は、私自身が目標設定をする社員を除いて指示はしないと固く誓っています。ですから、社長室のなかに閉じこもらなくて大丈夫なのです。

ヒエラルキーも必要ありません。役割を明確にし、階層が少ない文鎮型の組織であったとしても、ルールはちゃんと守ります。そこにねじれは全くないですね。

安藤社長は多くの人にとって分かりやすいメッセージを発しているんだと思っています。「モチベーションは不要」って言うじゃないですか。私は識学を受講してモチベーションはとても大切だと再認識しています。モチベーションが大切だからこそ、多くの人に分かりやすく伝えようとして、まさに、マーケティングのため識学社ではモチベーションは必要ないと主張しているのだと理解しています。

多くの人は識学を誤解している


―識学を導入してよかった点はどんなことでしょうか

普段から識学は非常に役に立っています。識学は「結果だけを設定して、やり方には一切介入しない」というふうに思われがちですけれども、全然違うんですよ。多くの人は識学を誤解しています。

例えば、ある部長がとても活躍してくれたとしたら、その人の行動様式を定義して、それをルールとしてその後入社した人たちに設定するんですよね。そうすると、とてもうまく機能します。

例えば、入社して1年数カ月で部長から執行役員になった山田真輔さん。彼は、ちゃんと相談できるんですよね。それまでは、私はどの部下に対しても「必要に応じて相談してください」としか言いませんでしたが、その彼は、私に対して非常によく相談するんですよ。「これだ」と思い、新しく部長級で入った社員に、「適宜」ではなく「毎日」相談してくださいというルールを設けるようにしました。

相談するというのは、自分に課題がないといけません。しかも、解決できる課題であれば相談しなくてもよいですから、自分で解決できない課題を見つけないといけないわけです。新入社員にこれを課したらパニックになるかもしれませんが、部長を担う人であればそれくらいできて当然だと思っています。

最初は仕事ができない人でも、識学で一つひとつ目標を設定し、それを達成していくことで徐々にレベルが上がっていきます。それに、識学ではルールの設定と順守を重視しますよね。これが本当に大事なことで、同じルールを守っていると、お互いを同志と呼べるようになっていきます。

私にとって、一緒に働く仲間は大切な存在です。心から尊敬する同志とか、戦友と呼べる存在って、この年齢になると仕事でしかできません。食事をして楽しいとか、趣味をともにできて満足するという関係ではなくて、仕事だからこそ得られる絆があります。

―識学に対する印象は、トレーニングの受講前後で変わりましたか

いえ、特に変わっていません。私たちが識学を始めた当時、それを周囲に教えたら皆さん驚いていました。「フラットな会社だって言っているじゃん。軍隊みたいな会社にするの?」と。

私が説明してもなかなか分かってもらえませんでしたが、『リーダーの仮面』が飛ぶように売れているのを見ると、識学に対する世間の捉え方が変わりつつあるのだと感じています。

―どのような会社に識学はお勧めでしょうか

正直他社のことはよく分かりませんが、自分たちの経験を通して言うと、理念を大切にして、その理念をなんとしても実現しようと本気で奮闘している会社には、識学が有効だと言えます。自分たちの可能性が開けていく感覚が得られ、楽しいですよ。才能の有無に関係なく結果を残せるようになり、自己肯定感が生まれます。そして、それに満足することなく、さらによい結果を残そうという姿勢も識学を通じて身に付きますね。

誰であれ、個人的な感情を満たすように働いてしまうと仕事のパフォーマンスが落ちます。そうではなく、原理原則に基づいて仕事をしていけるようになるために、識学理論を学ぶことは効果的です。もちろん、識学とは全然違う方法で業績が好調な会社もあるでしょう。ただ、再現性があるかどうかは別の話。表層的に真似をしたとしてもうまくいきません。

識学でもそれは同じであり、社長室を作るような表面的なことだけをしても無意味です。やるならばしっかりと腰を据えて識学に取り組んだ方がよいですね。

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