ー お客様の声 ー

識学理論をラグビーへ応用し、日本一へ。

元追手門学院大学女子ラグビー部
ヘッドコーチ 後藤翔太 氏

――スポーツにおける「本質的な力」を徹底的に磨き上げ、No.1へと導く術を手に入れた――

たったの2名。それも、当時は素人の選手しかいなかった女子7人制ラグビー部のヘッドコーチに就任し、わずか2年数ヶ月でチームを日本一へと導いた名将。それが、株式会社識学のスポーツ事業部 部長、後藤翔太だ。
桐蔭学園高校、早稲田大学というラグビーの名門校を経て、2005年にジャパンラグビートップリーグの「神戸製鋼コベルコスティーラーズ」に入団。1年目からレギュラーの座を勝ち取り、新人王に。その後、日本代表にも選出され、常にラグビー界の最前線を走り続けてきた一流選手である。
そんな同氏が神戸製鋼を退社し、追手門学院大学の女子7人制ラグビー部ヘッドコーチに就任したのは2013年。立ち上げたばかりのチームを全国ベスト4で戦えるまでに成長させていた同氏だが、自身のマネジメントに行き詰まりを感じていた2015年に識学と出会った。識学の理論をスポーツの領域に応用した結果、チームにどのような変化が起きたのか。その軌跡をご紹介したい。

会社名

元追手門学院大学女子ラグビー部
所在地  

代表者名

ヘッドコーチ 後藤翔太
事業内容  

企業サイト

 

インタビュー

どんなに見栄えが良くても「金メッキ」では敵わないと気づかされた

後藤さんが識学を知ったきっかけについてお聞かせください。

識学代表の安藤とは、早稲田大学時代のラグビー部の先輩後輩という関係だったんです。ただ、当時は僕が1年生で、安藤は4年生。特別親しかったわけではありませんでした。久々に再会したのは、2015年の春。追手門学院大学の女子7人制ラグビー部のヘッドコーチに就任して3年目のことでした。安藤と一緒に食事をする中で、識学の理論を解説してもらう機会が何度かあったのですが、「組織のトップ」という経営者と共通の立場だった僕にとってはとても興味深く、心に突き刺さってくる内容だったんです。
識学の存在を知るまで、僕には「今まで自分はラグビー界のトップでやってきた」という自負がありました。ヘッドコーチを務めていたチームも、当時すでに全国ベスト4で戦えるレベルまで成長していましたから、これまでの経験則に基づいた戦略や指導方法に対して、「このやり方が正しいはずだ」「このチームにはこういうマネジメントの仕方が理想的に違いない」と信じていたんです。ただ、その一方で、「行き詰まっているというほどではないけれど、今一歩突き抜けられない」という想いもあって……。その原因となっていた僕のマネジメントの間違いを、安藤にはどんどん指摘されました。もちろん、自分が信じてきたことを真っ向から否定されるというのは受け容れ難かったですし、正直カチンともきました(笑)。それでも、安藤に指摘されたことはどれも腑に落ちるものばかりだったんですよね。だから、「わかりました、じゃあやってみます」と、自己流だったマネジメントを識学の理論に基づいたマネジメントに切り替えることに決めました。

当時はどんなチームマネジメントをされていたのでしょうか。

対戦相手の動きを見ればそのチームの力を推し量ることができて、どんな戦術で戦えば勝てるのかが分かってしまう「戦略性」が、ラグビー選手を経てヘッドコーチになった僕の武器でした。だから、この武器を最大限活用することが、チームをいち早く強くする術だと当時は思っていたんです。そうすると、選手も楽しいんですよ。「こうやったら勝てるよ」と僕から言われた通りに動けば楽して勝てるし、今まで知らなかった新しい戦術を教われますから。
しかし、結局のところ、僕がそれまで一生懸命やってきたのは、発泡スチロールでできたハリボテにキレイな金メッキを塗って、それが偽物だとバレてしまわないようにする「ごまかし方」だったんです。いかにコストをかけずに、選手たちに楽をさせてあげるかばかりを考えて、できあがったチームは、一見とても見栄えは良いけれど、いざ持ってみるとスカスカで軽い。正面からぶつかってしまえば、その脆さがすぐに露呈してしまう。だから、ある程度までは勝てても、本当に強いチームには全く敵わなかったんです。識学に出会ったことで、「では、本質的に勝つためにはどうすればいいのか? 」を突き詰めた指導に切り替えることが、現状から一歩抜け出る突破口になると気づくことができました。

ベスト4止まりだったチームが、日本一・世界一へ大躍進

識学の理論を選手の指導に取り入れた結果、どんな変化があったかお聞かせください。

僕は追手門学院高校・大学の女子ラグビー部のヘッドコーチを兼任していたのですが、結論から言うと、大学チームは数ヶ月で日本一に、高校チームにいたっては世界一になりました。

素晴らしい結果を出すことができたのですね。具体的には、どんなことに取り組まれたのでしょうか?

識学のトレーニングを経て「選手の評価は明確な数値が定められた『完全結果』でしなければならない」ということを学んだので、選手一人ひとりの能力を「運動能力」「技術」「判断力」の3つに分け、さらに細かい項目を設けすべてを数値化して、パフォーマンスが点数で算出できるシートを作成し、評価をしました。さらに、各選手の点数を順位付けして、チーム全員が自分自身やチームメイトの点数を把握できるようにしました。
選手の能力を完全結果で管理することで、「対戦チームの能力がこれくらいの数値だとすると、相手に勝つためにはトータルでこのくらいの点数がないと勝てない」という次の試合に向けた能力強化のための戦略を練ることができるようになったんです。さらに、例えばランキング10位の選手に対して「レギュラーになれる7位以内に入るまではこの能力が必要だよ」と指導がしやすくなりました。
誤算だったのは、完全結果を示しただけでは、選手は動き出さないということ。「今の能力値が分かれば、足りない部分を強化するために自主的に動き出すだろう」という勘違いをしてしまっていたのが原因でした。能力を上げるために動いていなかった選手を呼び出して怒ったりしてしまったのですが、よくよく考えてみると、僕は完全結果として評価をするようにはなったけれど、「いつまでにどのスコアをどこまで伸ばしなさい」という目標の設定をしていなかったんです。そこで、選手ひとりに合わせた目標設定をすることで、いつまでに何をすれば評価が得られるのかを明確に示しました。
同時に取り組んだのは、「トレーナーに責任を持たせること」。今まで、トレーナーの役割は「トレーニングメニューを考えて選手にやらせる」という曖昧なものだったのですが、「1ヶ月後にこの選手達のこの運動能力をこの点数まで引き上げるのがあなたの仕事」と明確な役割を与えるようにしました。
その結果、1ヵ月後には数値が劇的に向上したんです。僕はラグビーを始めてから、クラブチームから代表チームまでのあらゆるカテゴリーのチームに所属してきましたが、追手門学院大学ラグビー部は最も高い成長曲線を描く組織となりました。指導方法ひとつでここまで大きく成長を促すことができるんだな、と驚くと共に、識学の理論は企業の組織マネジメントに限らず、スポーツのチームマネジメントにも絶大な効果をもたらすことを、身を以て実感しました。

識学をスポーツ界に広め日本・世界で勝てるチームづくりに貢献したい

識学は、後藤さんにとってどんな存在ですか?

識学は、初めて自分の考え方に影響を与えた学問だと思っています。
僕は実業団に在籍していた頃、社員として色々な研修を受けたのですが、次の日から使えるようなことがひとつも得られなかったんです。自分の頭の中に残ったり、何かを見たときに勉強したことと照らし合わせて判断基準にできるような経験もありませんでした。でも、識学には影響を与えられた感じがするんですよね。実際に識学の理論を取り入れたら、良い成果を残すこともできましたし。それで、この識学という学問をマスターできたら、仕事にできるかもしれないという気持ちが湧いてきて、2017年1月から識学に参画させてもらうことになりました。

現在は識学でどのようなことに取り組まれているのでしょうか。

2017年5月から新たに立ち上げられた「スポーツ事業部」の部長として、ラグビーや野球、バスケットボールのチームの監督やコーチに識学のトレーニングを行っています。
実は、自分が選手やヘッドコーチだった頃は、自分がラグビーをやったり指導者をやることに対して明確な価値を見出せていなかったんです。難易度の高いことはやっていたと思います。でも、周りに対して有益性を直接的に与えられていない、という感覚が頭のどこかにあって……。もっと誰かのためになれる量を増やしたい。感動を与える範囲を広げたい。そう考えた結果、識学を通じてスポーツ界の組織を一つひとつ良くしていくサポートができたら、価値を認めてもらえるんじゃないかと思ったんです。
現在は、ラグビーに関わっていた頃とはまた別の存在意義を少しずつ感じ始めています。誰かのためになる、多くの人のためになるような実績を、これからさらに残していきたいですね。

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