受講者の課題を意識したセッション
ーーなぜ識学に興味を持ち、入社することになったのか教えてください。
それまで識学は知りませんでしたが、興味を持って『リーダーの仮面』を読み、それまで考えてきたことと全く違い、かつ筋が通っていて首肯するしかない考え方であると感じたのです。そこで、世の中には私のように正しいマネジメントの方法を知らず悩んでいる管理職がたくさんいるだろうと思い、コンサルタントとしてそういった人たちを助ける仕事をしようと考えた次第です。
ーーこれまでのコンサルタント活動の中で苦労した経験を教えてください。
あるクライアントの経営者は、識学理論を伝えると「なるほど」と理解をしてもらえるのですが、元々の考え方に引っ張られたり、忙しいことを理由になかなか実践に着手してもらえない状態が続きました。続いたのは、私も相手の忙しいという理由を受け入れて、付き合ってしまった面がありました。
ーーそれをどのように乗り越えたのか教えてください。
私の反省点としては、いろいろな解決策を投げて、相手に何をやればいいか迷わせてしまったことがありました。そこで、一つの解決策に絞って徹底して取り組んでもらい、まずは結果を出すことを経験してもらうようにしました。目標を設定し、デイリーで進捗を管理し、毎日共有してもらうよう要請すると、経営者もようやく動き始め、社員も連動して動き始めてくれ、結果に繋げることができました。
ーーこれまでのマネジメント支援(トレーニング)の中で一番印象に残ったケースを教えてください。
ある電気工事会社のリーダー候補者のトレーニングのケースです。最初の課題設定において「メンバーに感情的に接してしまう」ことが挙げられたので、その後のセッションでは、都度、感情的に接することがいかにマイナスかを意識的に伝えるようにしました。すると、セッションごとに前回の復習をしてきて、私からの質問にも考えを絞り出すように答え、着実に考え方を変えていることがわかったのです。そして、経営者に「役職が欲しい」と直訴するようになり、経営者も評価して現場のリーダーに就かせました。その後、リーダーとして6名のメンバーをマネジメントできる存在に成長されています。