枠を決めて部下に考えさせることで組織づくりが進展
ーーなぜ識学に興味を持ち、入社することになったのか教えてください。
社長の安藤の著書やYouTube動画などを観て、自分が悩んできた人と組織の在り方には正解があるのだと知りました。そして、世の中には私のようにマネジメントに悩んでいるリーダーがたくさんいるだろうとも感じたのです。
転職サイト経由で他社から社内講師のオファーもありましたが、今後AIが進展していくと、学習のほとんどは自己学習となり、従来の集合型学習の講師は不要になっていくと感じました。一方、AIが進展しても人と組織の悩みは尽きることはなく、コンサルタント業ならば定年退職後も続けられるのではないかと思えたのです。そこで、識学ならばそんな土台作りができると考え、入社を決めました。
ーーこれまでのコンサルタント活動の中で苦労した経験を教えてください。
識学の評価制度構築サービスを導入されたお客様のケースです。既存の評価制度は部長職が対象外で、社長を含む3名の役員で恣意的に決められていました。このため、社内には「役員に気に入られれば出世できる」といった受け止められ方が広がり、キャリアビジョンが持てない状態にあったのです。そんな中で、他社にスカウトされて流出する幹部社員が増える状況にありました。
そこで、部長職の明確な評価制度を策定すべく役員と進め始めたところ、社長が「面倒だ」と抵抗を始めて頓挫しそうになりました。それまでの恣意的に決めていたやり方が楽だったからです。
ーーそれをどのように乗り越えたのか教えてください。
現状の部長職だけではなく、課長から一般社員、事務系社員など広範囲かつ将来にかかわる問題として捉えて手を打たないとどうなりますかと何度も質問し、と危機感を感じて頂きました。すると、営業担当役員が最も問題意識を共有してくれたのです。そこで、その役員と重点的に話を進め、この問題にさほど関心がないように思える社長に共に意識変革を迫り、納得して完成まで漕ぎつけました。
ーーこれまでのマネジメント支援(トレーニング)の中で一番印象に残ったケースを教えてください。
小規模のエステサロンの経営者なのですが、社長の安藤の著書を手あかがつくほど読み込んだそうなんですが実際、それをどのように自社内に落とし込めばいいかわからなかったのでトレーニングを申し込まれました。よく話を伺うと自分の見えている世界観とスタッフが見ているものが同じであると認識されていたので、スタッフが動かないことに苛立ちを覚えていたわけです。そこで、社長の頭の中にある「やりたいけれど、スタッフが知らないもの」を外に出して仕組み化することを提案しました。すると、トレーニング中にどんどん思考変化し、それが行動変化にも結び付いて、次のトレーニング期日には前回の施策を試した結果、どうだったかをお話いただけるようになりました。まさにの理想的なサイクルとなったのです。
今まで社長すべて決めてスタッフに指示していたのですが、それでは指示通りにはやるのですが、指示待ちの状態になったりすることもありました。なので、仕組みを決めた後は仕事のやり方などで質問してくる場合は、答えを言いそうになってもグッとこらえて「あなたはどう考えて、どう行動するのか」と質問をすることをベースとしました。今はスタッフからの質問も減り、能動的な行動が増えてきて、社長が介入する時間も大幅に減ったようです。