ー お客様の声 ー

“個人商店の集まり”の組織改革で業績向上を実現

司法書士法人F&Partners
代表者 仁井 勝之氏

司法書士法人を中心に、行政書士法人、税理士法人、社会保険労務士法人、土地家屋調査士法人といった士業法人など計9社、従業員数220名以上を擁しているF&Partnersグループ。相続などの問題解決にワンストップで対応できることを最大の強みとしている。同社は、“個人商店の集まり”と言える士業法人の組織力強化に識学を導入。課題解決に繋げ、頭打ちであった業績の向上に繋げた。そこで、その経緯や効用について、司法書士法人F&Partners代表社員の仁井勝之氏と、担当した識学大阪営業部部長で上席講師の庄子達郎が語り合った。

会社名

司法書士法人F&Partners
所在地 【京都事務所】京都市中京区七観音町623番地第11長谷ビル5階

代表者名

代表社員 仁井勝之
事業内容 不動産登記
相続・遺言
家族信託
成年後見
商業・法人登記
企業法務
動産・債権譲渡登記

企業サイト

https://256.co.jp/cp01/

中間管理職が上下に挟まれ苦しんでいた

庄子 まずは、事業におけるF&Partnersグループの強みから確認しておきたいと思います。

仁井 
例えば、不動産取引で必要となる手続きにおいては、司法書士や税理士などによって担当領域が分かれますが、そのことを一般の方は知りません。したがって、お客様はそれぞれ別々の事務所に行って手続きをされていました。当法人はグループ内に司法書士や税理士、行政書士、社労士などの法人を擁していますので、ワンストップであらゆる手続きを完結させることができます。

庄子
 利用者の手間を減らすことに繋がる、大きな強みですよね。

仁井
 しかしながら、本来発揮すべきこのシナジーが発揮できないところに組織的課題があったわけです。

庄子
 では、その課題について、時系列的にお話しください。

仁井
 当法人は、司法書士である創業者が1987年に個人事務所を開設したことが始まりで、2006年に法人化しました。カリスマ性を発揮して組織拡大を図り、行政書士や税理士といった他の士業と連携して総合化の道を進んでいきました。2016年頃には、それぞれを法人化して現在のグループ体制に持っていったのです。私は2014年に入所しましたが、当時50名ほどだった社員は7年で4倍以上に増えています。

庄子
 すごい成長ですよね。

仁井
 そうなんですが、それによる弊害も目立ち始めていたんです。社員数が増えても実質的に創業者のワントップで、ピラミッド的な組織ができておらず、全体に目が届かなくなっていました。中間管理職的な立場の者はいましたが、まさしく上からの要望と下からの突き上げに挟まれて苦しんでいました。この私もその一人であったわけです。
また、ワンストップの強みを発揮すべきところが、各法人としては面倒な上に自法人の収益に繋がらないと、他の法人にお客様を紹介するといった動きを取ろうとはしませんでした。

識学的要素がないなら導入していけばいいだけ

庄子 本来の強みが発揮できないジレンマでしたね。前代表はどういった対処をしようとしたのですか?

仁井 積極的にいろいろな外部のコンサルティング会社に頼りましたが、アドバイスされるとおりにやってみてもなかなかうまくいかなかったようです。そうした中で、2018年の11月頃に識学さんを勧められ、庄子さんを紹介いただきました。

庄子 仁井さんは当時、マネジメント層の一角にいらしたわけですが、内部のそういった課題に対してどう捉えていたのですか?

仁井 それが、私自身は課題だと思っていませんでした。士業法人とはそういうものだろうと思っていたからです。

私は一般の会社に勤務した経験もありますが、士業は基本的に個人で事務所を開いて商売をする存在ですから、そういう者の集まりとして、普通の会社とは違って当然と思っていたのです。

しかし、士業法人であっても、組織として一つにまとまって成長を目指す上では、バラバラな個人商店の集まりであってはならないと徐々に気づいていったわけですが。

庄子 私も当初はまさしくそこに難しさを感じました。

士業法人は専門性の高い有資格者の集団であり、個人の評価は一般企業のように体系化されたものではなく、組織における役職という概念も明確ではありません。

しかし、逆に考えれば、取り組むべき方向性はシンプルだと思い直しました。

識学的要素がないなら、それを導入していけばいいだけですから。識学による組織運営と、専門性の高い業務遂行は両立できるはずと考えました。

そして、私は前代表から、当時は業績拡大の鈍化が続いていたところで「天井を突破したい」という言葉をいただいたんです。私は迷いなく、識学を導入して組織運営を行えば間違いなく突破できるとお伝えしました。前代表は即決してくださいましたね。

仁井 前代表はいろいろなものを背負っていたと思います。本来の業務であるお客様への対応もしっかりさせなければならないし、社員のマネジメントもしなければならないと。

けれども、なかなか任せ切ることができず、結果的にワンマン体制になっていたと思います。クセのある社員は、自らの給料アップを、上司を飛び越して前代表に直訴していたぐらいですから。

それが、役職を明確にし、部下の管理職に任せることに徹しなければならないという識学理論に接して、即座に腹落ちしたのだと思います。

1年間で1/4~1/3もの社員が入れ替わる

庄子 差し当たって前代表にマスタートレーニングを行い、次に仁井さんにトレーニングを受けてもらいました。まずは、どんな感想を持ちましたか?

仁井 「結果重視」とか、「有益性が重要」とか、当たり前のことを言われているように感じました。しかし、それまで考えもしなかったことばかりです。なぜそんな当たり前のことに気づかなかったのか、と思いましたね。そのことを教えてもらえたことが大きかったです。

庄子 逆に、不安や疑問に感じたことは?

仁井 部下との接し方を変えることですね。それまで、メンバーのモチベーションを気にするあまり、飲みに連れ出して話を聞くということをしていたわけです。

どこにでもある話だと思いましたが、識学的にはそれをやってはならないと。

当初は「本当にしなくて大丈夫か?」と思いました。そういう時間をつくって、関係を維持できているとの思いがありましたから。

庄子 そう感じる受講者の方が非常に多いです。しかし、結果的にこの重要性は皆さんに理解して頂けます。

仁井 私もその一人です。


庄子 トレーニング終了後、しばらくして前代表は仁井さんに代表の座を譲ってF&Partnersグループを任せるご決断をされましたね。前代表は別の事業会社の代表取締役に就きましたが、その後F&Partnersの運営には関わっているのですか?

仁井 一切関わっていないです。

庄子 識学による組織運営を始め、さらに評価制度も導入して社内は大きく変わっていったと思います。識学導入に対する社員の反応はどういった感じでしたか?

仁井 様々でしたね。典型的だったのは、「オフィスに入る時は立ち止まって挨拶をする」という「姿勢のルール」に対しての反応です。

私が代表に就任したのは2020年の1月でしたが、その後「コロナ禍なのに、そんな大声を出すのはいかがなものか」という反論が出たり、「そんなのは当たり前のこと」という受け止めがあったりしました。

結果的に、1年間で50~70人もの社員が退職しました。全体の4分の1から3分の1というインパクトです。庄子さんからは「(出ていく人は)止めないでください」と言われていたので、腹を括ってはいましたが、実際は仲間に出て行かれることは辛い思いもありました。

庄子 識学を導入すると、まずは「ルール」を設定し徹底していきますが、そこで組織に合わせることが出来ず辞めていく人は、そもそも自分の考えを優先したい、もしくは価値観が大きく違いすぎるなど退職予備軍としての要素を持っていた場合も多いです。

その人を目先のことで繋ぎ止めたとしても、ルールや会社の批判や愚痴など周囲に悪影響を及ぼすことにも繋がることが多いです。むしろ別の道を進んだ方が、お互いが幸せになれると考えています。

上意下達がスムーズになり拠点展開で業績が上昇

仁井 入れ替わりとしての人材採用に当たって識学の考え方をきちんと説明し、納得した人だけを採用しています。ですので、「姿勢のルール」は当たり前、というカルチャーに急速に変わっています。今では、オフィスに入る時に挨拶しないと気持ち悪いという社員ばかりだと思いますね。

庄子 識学という共通言語が組織に定着することで運営の型ができ、余計なことに時間を費やすことがなくなったことで、業績向上に繋がったのではないかと思います。

仁井 大きかったのは、拠点展開がすんなりできるようになったことです。以前はそういった経営の意思に反対意見があると断行できずにいましたが、識学導入後は上意下達がスムーズに行くようになりました。

そのおかげで業績が伸び、前代表が求めていた天井を突破することができました。また人材採用もやりやすくなり、3年前に10位だった業界誌における規模のランキング評価が4位に急上昇しました。

庄子 識学導入後の2年ほどは試行錯誤もありましたが、ここ1~2年は組織運営に軸が通ってきましたね。経営の意思決定や伝達スピードが格段に向上された印象があります。

そのポイントは、いかなることがあってもアクセルを踏み続けるという決断をしていただいたからだと思います。社員からの反論があると経営陣は躊躇しがちですが、そこを突き進んでくれました。これによって、仁井さんご自身の言動が変わったのではないかと思います。

仁井 自分でも人格が180度変わったと思います。以前の私を知っている人は、この変化を驚くのではないでしょうか。そうなれた根底には、「ここで変わらなければダメだ。このままでは待遇を上げることができず、明るい未来が見えない」との危機感があったからだと思います。

庄子 そしてトップが意思決定すること。これが何よりも重要ですね。最後に、読者にアドバイスをお願いします。どういった組織が識学を導入すると良いとお考えですか?

仁井 当初、士業法人はヒエラルキー組織に向く識学には最も馴染まない組織だと思っていました。ところが、こうして導入して大きな効果を上げることができたので、どんな組織にも通用すると確信しています。

庄子 ありがとうございました。

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