識学 実践メソッド

識学と感情 ~感情をコントロールしたマネジメントをせよ~

投稿日:2021年9月15日

識学を受講された方、また書籍等で知った方の中には「識学=感情を無くす」という印象を持った方が多いと思います。実際、識学講師も「識学は感情を出さないマネジメント」とお伝えしています。しかし誤解して欲しくないのは、識学は決して感情を無くせと言っているわけではありません。感情をコントロールするべきと言っているのです。今回はこの違いについて解説します。

人は感情を持つ生き物

まず大前提、人は感情を持つ生き物です。私たちは必ず喜怒哀楽を持ち、日々の生活の中でそれを表現しています。これは人間に必要不可欠な機能であり、識学もこの人間が持つべき機能自体の存在を否定しているわけではありません。

組織マネジメントにおける感情の否定

識学がお伝えするロジックの中では、感情を否定するテーマが随所に見られますが、これはあくまで組織マネジメントにおける感情というものを否定しています。では、なぜ組織マネジメントにおいては否定するのかというと、それは組織の中で感情を出すと様々な不具合が生じ、組織の成長を妨げ、また組織の存続すら脅かしかねない状況を招くからです。

組織の中で感情を出すデメリット

例えば、落ち込んでいる部下を励まそうと飲みに連れていき、熱心に話を聞いてあげるといったような感情に寄りそうフォローを続けることで、その瞬間部下のやる気は上がるかもしれません。しかし部下は「落ち込んだらすぐに上司が励ましてくれる」という意識になり、やがてそれが「今自分が落ち込んでいてやる気が出ないのは上司の励ましが足りないからだ」といった他責思考になり、あたかも自分のパフォーマンスが悪いのは上司のせいだというような錯覚を起こします。

また、部下の未達成やミスに対して怒りを露にしたマネジメントをすると、当然ハラスメント問題に発展しかねない面もありますが、もっと深刻なデメリットは、部下が上司に怒られないことに対して全力になってしまうことです。つまり、求められている結果を出すことよりも、如何に上司に怒られないようにするかに意識が偏るので、怒られないための言い訳を考えることが優先されて、結果を出すために必要な集中力が大幅に下がってしまいます。

感情を出してもいい場面

最後にリーダーが感情を出してもいい場面について補足しておきます。組織内において絶対に感情を出してはいけないというわけではなく、リーダーが感情を出してもよい場面があります。その一つは期の区切りです。迎えた結果が達成できたなら喜ぶ、未達成だったら悔しがる、そういった期の区切りにおいてメンバーを鼓舞する感情表現は否定しません。

しかし、この際も気を付けるべき点があります。それは、リーダーはすぐに冷静になり次の未来の結果を見据える必要があるということです。メンバーを鼓舞する一番の理由は次の結果に向けてまた集中して走らせるためです。時間は一分一秒待たずして未来へ進みます。リーダーはいつまでも喜ぶまた悔しがるのではなく、いち早く次の結果を達成する視点に切り替え、再び感情を出さないマネジメントに努めましょう。

まとめ

今回は識学と感情についてよくある誤解を解くために、感情の排除とコントロールの違いについて解説しました。リーダーも人間です。感情を無くすことは絶対不可能です。ただ、組織(またはチーム)を引っ張る位置にいる者として、勝利に導くために感情をコントロールしたマネジメントが求められているのです。