識学 実践メソッド

未受講層への識学浸透方法

投稿日:2021年8月25日

メンバークラスにも識学を受講させた方がいいのか

識学の浸透を組織内で展開していく際に、お客様に聞かれることがあります。
「もっと識学浸透を加速させたいです。マネージャーはみんな研修を終えたのですが、メンバークラスにも受けさせたほうがいいでしょうか?」

識学受講とは、組織マネジメントの理論を学ぶという“知識のインプット”。
マネジメント未経験層への座学研修は果たしてどれだけ効果があるのでしょうか。

メンバーにとって理論は役に立つのか

経験が浅いメンバー層に対し、知識としての理論が実際に役に立つのか、と疑問に思う方もいるでしょう。
「すごい効果があった」という方がいる一方で、「わかるけど実効性はない」とか「現実的ではない」という方も一定数存在し、なかなか判断に迷います。

識学は、マネジメント経験が豊富な層にとっては過去の経験と照らし合わせることができるので、思考変化がすぐに訪れます。一方で、マネジメント経験がほとんどない層にとっては、知識を経験化していく時間を考慮すると、本質的な理解までにはそれなりの時間を要します。

理論が役に立つ会社はある。だが、ほとんどの会社のマネジメント経験のないメンバーにとって理論は難しすぎる

もちろん、識学の考えは臨床試験の繰り返しで体系化されたものであり、多くの会社での実績があるため、理論として整合性はとれています。
ただし、現実の組織にそれを適用する、となると、途端に困難が伴うというケースがあります。

実際には、そこそこ真面目に取り組んだとしても、当初の理想には程遠く、革新的な組織改革どころか、現状追認で若干の修正が施される程度、という状況に陥ってしまうこともしばしば。
覚えがある方もいらっしゃるかもしれません。
ではなぜでしょうか。

それは、「組織の中で働く人間の認識能力が、その理想についていけないから」です。
ですから、理論の現実への適用は、一定の困難を伴います。注意すべきは、理論は「理解できない」のではないという点です。
「理解はできる、だが実行はできない。」
これが本質です。

思考は変化しにくい。意思なくして変化しない

単純に言えば「組織変革」とは、従業員を新たな思想、あるいは規律に従わせることにほかなりません。

しかし、多くの人は自分の思考を変えることを良しとしません。

結局のところ、人間の思想は非常に惰性が強く、組織論を導入すること、つまり新しい思想の導入は恐ろしく時間がかかります。

組織変革がうまくいくのは「細かいルール」を積み重ねたとき

対照的に、識学を導入してうまくいっている会社、つまり組織変革がうまくいっている会社は、一気に社員の思想を変えようとせず、「小さなルールの適用」を、細かく繰り返すことで、組織への思想の浸透を図っています。
例えば、「遅刻はダメ」とか「依頼を出すときは必ず期限を決めよ」、あるいは「日報は定められた形式で」といった姿勢のルールの徹底を重視します。

実際、キリスト教やユダヤ教には、旧約聖書に様々なルール、すなわち戒律が定められています。神の名をみだりに唱えるな、週一回の安息日には働くな、殺すな、盗むな、姦淫するな、隣人のものを欲しがるな。

そうした細かなルールを守らせることで、「思想の浸透」を図る。このほうが、「新たな理論」を一気に適用して、組織変革を図るよりも、はるかに実効性があり、また堅牢な組織が実現します。マネジメント経験がないメンバー層に識学の理論実装は必要か、の問いに対しては、下記の通りに認識してください。

理論(インプット) → ルール設定(アウトプット) というインプット先行型よりも、
ルール設定(アウトプット) → 理論(インプット) というアウトプット先行型でプロジェクト推進を図るべきです。

つまり、識学を受講した幹部が組織の隅々まで識学を浸透させるためには、一人一人に識学の理論を教えるよりも、講師から学んだ通りの環境・仕組みを作ることに徹することのほうが有効となります。