識学 実践メソッド

社内運動会

投稿日:2021年8月4日

「仕事以外の場を提供して社内のコミュニケーションの強化を図りたい」「業務パフォーマンスをあげるためには仲間意識の醸成が不可欠だ」
そんな期待を抱いて社内運動会を企画しようとしているリーダーもいるでしょう。
本記事では、こうしたチームワーク強化を目的とした社内運動会の是非について、識学的に解説していきます。

「社内運動会」のメリットとは

社内運動会のメリットとしてあげられるのは主に下記です。
・社内コミュニケーションの活性化
・社員のモチベーションアップに有効
・社員の健康維持、体力向上につながるきっかけにできる

ひとつひとつ見ていきたいと思います。

◇社内コミュニケーションの活性化

真っ先にあがるのがこの意見でしょう。会社の成長とともに社員数が増えていくと、出社するオフィスが違えばほとんど顔を合わせない社員も出てきます。社内運動会はそうした社員とコミュニケーションがとれる絶好の機会。また、普段仕事で関わる人であったとしても運動会という“非日常”の空間ではまた違った一面を見ることもできます。

◇社員のモチベーションアップに有効

仕事とは違う新たな一面を見せることができるため、自分の頑張りや特徴を普段かかわりがない人にもアピールできます。チームが勝てば盛り上がりますし、良い成績を出すことが出来ればテンションがあがる。これが翌日からの仕事へのモチベーションにつながることもあります。

◇社員の健康維持、体力向上につながるきっかけにできる

単発のイベントと考えると、健康に寄与する効果はあまり大きくありません。ただこうしたイベントをやることで、日々の運動の発表会のような位置付けになったり、自分の体力の確認の場として考えたりすると効果が高まります。

それでも社内運動会はやるべきではない

これらのメリットを考慮しても、それでも識学では「社内運動会はやるべきではない」と考えます。なぜなら、社内運動会を開催することで、組織上の位置関係ではなく「運動」というテーマで位置関係ができてしまうからです。組織にはそれぞれの役割に応じて適切な「位置」が決まっており、それぞれが位置を正しく認識し、その位置に定められた「機能」を全うすることで、組織の成果が最大化します。

しかしながら、運動会では運動の得手不得手であきらかに上下関係ができてしまいます。そのため社内運動会で「社長は運動苦手なんだな」「部長より課長の方が足が速いな」などと上司を下の位置と認識し、位置関係の認識が逆転してしまうと、翌日からの業務の場でもその影響が残ってしまいます。

一つ目のメリットであった「社内のコミュニケーションが活性化する」の裏側には、こうしたリスクが潜みます。それに、そもそも「社内の和を作れば、組織のパフォーマンスが上がる」というロジックは順番が逆です。本来社内の和というものは、個人が役割に応じた位置に立ち、定められた機能を全うして成果を出し続けていれば“結果として”自然に生まれるものです。社内の和が結果を生むのではなく、結果に向かって行く中で自然と発生していくものが「和」です。

二つ目のメリットの「社内のモチベーションアップに有効」はどうでしょうか。
これは運動会に限った話ではありませんが、「社員のモチベーションアップ策として会社がイベントを企画する」という打ち手は危険です。
「運動会でモチベーションが上がったから仕事にやる気が出た!」という社員は、「最近はイベントが減った。会社がモチベーションを上げてくれないから仕事に身が入らない」というように、頑張らないことに対する言い訳を持つことになります。一般的にモチベーションは「やる気」という意味で使われることが多いですが、こうしたモチベーションはすぐに上がったり下がったりします。このような簡単に上下するものを基準にしているようでは優れたパフォーマンスを継続していくことはできないでしょう。

三つ目のメリット、「社員の健康維持、体力向上につながるきっかけにできる」については、否定する要素はありません。
しかし、それが社内運動会でなければ実現できないものか、というと必ずしもそうとは言えないでしょう。

このように社内運動会にはメリット・デメリット双方が存在します。最終的には熟慮の上で「会社が成長するためにどちらが重要か」で判断すべきですが、識学では「デメリットの方が大きい」と考えております。
もし今、運動会を企画されているのでしたら、今一度考えなおしてみてはいかがでしょうか。