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【イベントレポート】分科会「介護業界における識学浸透。退職者が出なかった理由とは」(株式会社美咲様)

2021年9月14日、介護ビジネスを営んでいる経営者を対象とした、分科会 テーマ「介護ビジネス」が開催されました。本分科会では、株式会社美咲 代表取締役 宮川庸平様をゲストにお迎えし、同社で識学浸透のために実施した施策について共有いただきました。
「識学導入後の変化」や「識学導入後、離職者が出なかった理由」をはじめとしたさまざまな話題について、株式会社美咲 宮川代表の発表や質疑応答を通して分科会が進行しました。
この記事では、分科会に参加できなかった方のためにゲストスピーカー様から紹介いただいた識学浸透ノウハウ含め、導入事例発表・質疑応答の模様をお届けします。


識学の利用サービス

宮川様:
介護業界、デザイン業界を経て現在のグループ会社に入社し、今年で13年目になります。現場管理者を経験後、本社に配属となり、8年間の部長経験を経て代表者に就任しました。

2019年に「マスタートレーニング」「評価制度構築サービス」を導入し、「識学講師養成プログラム」にて識学認定講師資格を取得しました。
現在でも基本サービスを通し、社内に識学浸透を進めています。


なぜ識学を導入したのか

宮川様:
識学導入前は、「○○さんがいないと仕事が回らない」といったスーパースター社員が何名もいました。しかし、組織の利益追求をするためには「属人的な組織」ではなく、「誰でも回せる組織」でなくてはならないと思い、識学導入を決意しました。


識学導入中の取り組み

代表の変化

宮川様:
①    社長室をつくる
社長室をつくったことによって、社員との適切な距離感をとることができました。
今までは社員と同じ部屋で仕事をしていましたが、それが原因で意思決定が遅れることが度々ありました。
社長室をつくるだけの簡単なことでしたが、「社員との距離感をとる」効果は非常に高かったです。


②    グループLINEから抜ける
LINEやChatworkなどの社内コミュニケーションツールのグループから抜けました。
これは、社員の「結果」のみを管理するために行いました。私自身が社員の経過(プロセス)を見ないことで経過評価をしない施策です。


③    ひとつ飛ばしをやめる
今までは「常勤職員」「パート職員」の方に対しても「何かあったら相談してね」と言葉をかけていました。
しかし、ひとつ飛ばしをしてしまうと管理職の機能不全を起こしてしまいます。
現在では管理職の機能不全を解消するべく、直下の部下以外には関与しないように心がけています。


④    自ら手を出すのをやめる
私(宮川代表)はプレイヤー意識が強く、現場に口を出してしまいがちでした。
識学を導入した今では、現場に関与しないように心がけています。なぜなら、「部下の成長機会」を奪わないようにするためです。


⑤    部下と飲みに行かない
部下と飲みに行くことは、「位置ズレ」の原因になってしまいます。
飲みに行くときは2階層、3階層と複数の階層の社員と同じ時間を過ごすことになるため、自分の立ち位置を勘違いしてしまう社員が出てくることがあります。
社員に対して「必要な恐怖感」を持ってもらうためにも、部下との飲み会は全社的一切禁止にしています。そうすることで「部下との適切な距離感」を保っています。


識学導入後の変化

宮川様:
①    姿勢のルールの作成
誰でもできる簡単なルールを徹底的に守らせました。


【株式会社美咲様で作成した姿勢のルール】





姿勢のルールは交通ルールに似ているところがあり、「後出し」でルールを設定すると姿勢のルールの順守率が下がってしまいます。
あらかじめ、職員の方が見えるところに明示する必要があります。

また、全員が共通のルール認識を持つことで、ルール違反者に対する注意もしやすい環境になり、結果的にルール違反者が段々と少なくなっていきました。


②    報告フォーマットの作成(日報・週報)
実施当初は社員からの反対もありました。
しかし、日報や週報を運用していくうちに「タスク整理になっていいですね」というような声も上がってきました。
今では、日報・週報の実施は習慣化しており、社員からの不満の声はありません。


③    ソシキサーベイ
ソシキサーベイでは「自己評価意識」と「組織内位置認識」の軸を中心に社員の位置認識をチェックしていました。
ソシキサーベイは大規模な組織編成をする前に事前に社員に受けていただくようにしています。そうすることで、位置ズレをしている社員を見つけることができるので、組織編成をスムーズに作成することができました。


④    組織図の作り直し
社内の上下関係を明確にするために、組織図を作り直しました。
組織フェーズ診断の結果を担当の識学講師に聞いたところ、現場社員の上下関係が曖昧になっているとのことでしたので、組織図を改めて見やすい形に作り直しました。
新しく組織図を作り直したことで、「誰が直属の上司なのか」「誰が部下なのか」を再認識してもらうような取り組みをしました。


⑤    役割と責任の明確化
自分の上司が誰なのかがかわからないと、部下は自分の役割や責任がわからなくなってしまいます。そのため、組織図を作り直した後に各社員の求める成果を明確にしたことで、社員の迷いがない環境を作り出すことができました。


社員に対する識学理論の伝え方

宮川様:
識学理論を社内に浸透させていくうえで、「離職者が多数発生する」という事象が起きると言われているとは思いますが、株式会社美咲であまり離職者はいませんでした。
私は離職者をなるべく起こさせないように、識学を段階を踏んで浸透させていきました。


1.姿勢のルールの徹底
識学を導入した初めの1年間は「姿勢のルール」を徹底して社員に守らせていました。
株式会社美咲にいるためには「このルールを守らなくてはいけないんだな」「上司の言うことは聞かなければいけないんだな」というような組織を作り上げました。

【ポイント:姿勢のルールの守らせ方】
羅列した文字を掲示し、「姿勢のルールだから守りなさい」では順守率を上げることはできません。株式会社美咲では「できるだけわかりやすく」「できるだけ大きな用紙に」「ポップな文字を使って」姿勢のルールを打ち出していきました。

例)明朝体➡ゴシック体に変更する(かしこまったイメージではなくポップな表記に)
  データとしてPCに格納➡事務所に大きく掲載する


2.評価制度の運用
姿勢のルールの浸透ができたと判断したら、次に評価制度の試運転を行いました。
いきなり評価制度の運用をしてしまうと、反発や離職があったかもしれません。
そのため、はじめに「稼働率」のみを結果で評価することにしました。
この試運転で出てきたデータをもとに管理職は部下の評価制度を構築しました。

【ポイント:評価制度の本格的な運用をする前に】
評価制度の本格的な運用が始まる前に「結果の完了」ができる環境を整えておくことです。
なぜなら、社員の求めるべき結果が曖昧になっていた場合、たとえ評価制度の運用が始まっていたとしても、社員が不足を認識できないため、成長のサイクルを生み出すことが出来ません。


3.ソシキサーベイを使った組織編成
ソシキサーベイ(識学クラウド内の機能)を使い、位置認識の高い人を管理職にしました。
実際にソシキサーベイの点数が低い管理職は、パフォーマンスが低い傾向があります。
株式会社美咲では「自責でとらえることができる人」を管理職として当て込んでいます。

以上のことから、識学導入のスピードに対して段階をつけて浸透を進めれば、社員の離職をある程度抑えることは可能だと思います。
ただ、「会社のルールを守りたくない」「会社に合わない」という社員も一定数いますので、致し方ない離職もあります。


質疑応答

Q.一般職員から管理職の役割定義はどのように決めているのでしょうか。

宮川様:
役割定義を設定するときには管理職を優先して設定しています。

介護事業を展開するにあたり、各委員会の管理職の役割定義を設定する必要がありました。
例えば、感染対策委員会の場合だと「可能な限り、感染者数を0にする」というように役割定義をし、業務を進めるうえで必要な権限を本社に上げさせるようにしています。

介護職員の場合は、細かい役割定義までを設定するのは非常に難しいです。そのため、私たちが介護職員の役割定義を作った際には「この介護職員には○○の業務をこなしてほしい」といったように求める基準(やってほしいこと)を明確にしました。

一般職員には、自分のやるべきタスクを姿勢のルール化して、徹底的に守ってもらうよう管理をしています。
(例:姿勢のルール化されたタスク)利用者の親族への連絡・日程調整など

一般職員には役割定義を明確にすることよりも、姿勢のルールを徹底的に守るような組織の体質づくりを行っています。


Q.多職種が集まる会議では識学的な会議をしてもうまくいかないのでしょうか。

宮川様:
多職種が集まる会議の実施はあまり推奨しません。
なぜなら、「話にならなくなってしまう」からです。
ここでの「話にならない」というのは、例えば社内には“医者”“看護師”“事務職”などなんとなくのヒエラルキーが存在します。この状態で会議を行ったとしても、誰かの意見に話が寄っていってしまう可能性があります。

あくまでも組織の代表者は、各代表者の役割定義を明確に定め、職種別で会議を実施したほうが実のある会議の内容になるかと思います。

【会議を行ううえでの注意点】
そもそも、その会議が本当に必要な会議かどうかを再確認してみてください。必要以上に会議を実施する必要はありません。
私たちの事例として「横のつながりは大切だから」と多職種同士で無駄な会議をしていたケースがありました。
不必要な会議を続けてしまうと、特定の集団が小集団化し、集団での位置ズレの原因にもなりますので、十分に注意をしてください。


「ルール」は守る側だけではなく、守らせる側も重要

本分科会では「姿勢のルール」の浸透方法について詳しくお話をしていただきました。
姿勢のルールを会社に浸透させていくうえで、ルールを設定するだけはいけません。姿勢のルールは「わかりやすくすること」「指摘漏れ」や「指摘を甘くしないこと」が非常に重要です。
ルール違反をしている部下側に管理職が寄りすぎてしまうと、社員の位置ズレを加速してしまう危険性がありますので注意をしましょう。

今一度、管理職の部下に対する指摘の仕方をチェックしてみてはいかがでしょうか。
姿勢のルールを社内に浸透させていくうえで、ぜひこの記事を参考にしていただけたら幸いです。


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株式会社美咲様 企業サイト
事業紹介…認知症高齢者の介護訪問を中心に介護事業を展開。大阪・神奈川・京都・和歌山・兵庫に15事業所を構えている。





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