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第11回:マネジメントは社長の主な仕事ではない
2020.02.21配信

マネジメントは社長の主な仕事ではない
◆特に社長が重要視すべき2つのマネジメント

「上司と部下には距離感が必要である」ことを、過去のメルマガでお伝えしました。
距離が近ければ近いほど「目標達成できない言い訳」や「心象評価を得ようとする行動」を生みやすくなってしまいます。

「距離感」を保つ為に、上司は
「プライベートを見せず、踏み込まない。」
「感情的な行動・言動をせず、毅然とした態度でいる。」
「会議を話し合いの場とせず、決定・承認の場とする。」
などのマネジメントが有効だとご説明しました。

「社長」にも同じことが言えますが、幹部や社員たちとの「距離感」を誤っている経営者は多いです。
社長の経営方針に対して、幹部から批判や反対の声が頻発する組織は「距離感」が守れていない傾向にあります。

このような状況では「社長の意図」を説明し、会社全体の成長を見据えた施策に従わせる為に、多大な時間と労力を必要とします。これは、とても大きな「ロス」であり「ストレス」となります。

今回は、マネジメント理論「識学」のうち、特に「組織のトップ」が実践すべき2つのマネジメント「社員と十分な距離をとる」「社員にビジョンを示す」を通じて、社長の本来の役割を解説します。



◆社長と社員の間に距離が必要な理由

株式会社識学は、マネジメント理論を熟知する講師が、日々、多様な業界・規模・目的の「組織のリーダー」にマネジメントトレーニングを行なっています。

このトレーニングの中で識学講師は「マネジメント」を説く立場でありながら「リーダーにとって最も重要な仕事はマネジメントではない」と断っています。

マネジメントのプロならば、マネジメントに多大な時間と労力をかけたりはしないのです。
優れたマネジメントは、社員が自発的に目標を達成する環境を作り出し、組織は自動で成果を上げ続けます。

「全ての社員の声を聞き、社員が不満なくやる気を持って仕事をしてくれるように、社長の時間・労力・費用をかける」ことは、優れたマネジメントではありません。

「現場の声を聞き、成果が出るように、社長自らが現場のシステム・営業手法を考える」ことも、誤ったマネジメントです。

弊社は、1200を超える「組織のリーダー」へのマネジメントトレーニングの中で
「社長は社内の不満や要望を把握し、環境改善に意識を向けていなくてはならない。」
「時には、現場を見て社員の意見を聞くことで、正確な経営方針を持てる。」
「社員とは常に意見交換しやすい関係を築いてこそ、現場を把握し、優れた経営ができる。」
といった考え方を強く持たれていた「社長」に沢山お会いしました。

社長が現場に介入したり、上司を飛ばしてコミュニケーションをとることの弊害は、識学マンガでも、過去のメルマガでもご説明した通りです。

これらを含め、社長の意識が社内に向くことの様々な弊害をレクチャーし、それでもリーダーのお考えが変わらないことがあります。

そんな時、厳しい言い方ですが「『社員と関わり続ける』という意思は、会社と社員の成長の為ではなく、社長自身のエゴではないか。」という問いに至ることもあります。

弊社社長の「安藤」と副社長の「梶山」も「かつては自身もそうだった」と話しますが「自制しなければ『社長は社員と』『上司は部下と』関わろうとしてしまう」ものです。

自身のチームメイトと会食し、リーダーである自分の意思や考え方を共有し、共感されることは気持ちの良いものです。
「多くの人を従えたいから」「偉くなりたいから」経営者の道を選んだ方もいますし、そのような野心は必要でもあります。

しかし、真に「会社」と「社員たち」の豊かさ、成長を願うならば、たとえ「社長との会食」を社員が心底楽しんでいたとしても、これを辞めなければなりません。



◆どのような具体的マネジメントが必要か

それでは「社員と距離をとる」と言っても、具体的に、社長はどのような行動をとればいいのでしょうか。
株式会社識学で実践されているものや、識学導入企業が行われた「社長と社員の距離をとる為の行動」をいくつかご紹介します。

・社長室のエントランスを社員と別にし、極力社員と顔を合わせない。
・社長は原則出社しない。
・社長は直属の部下(副社長と部長)以外と業務上の連絡をとらない。
・役員以上の役職者に限り「山田社長」「鈴木取締役」など、役職を添えて呼ぶ。
・役員以上の役職者は、社員と会食しない。
・上司部下・年齢関係なく、全社内敬語で統一。

これらの措置は、社内の人間関係を、よりビジネスライクにします。

社長と社員の距離が十分に取れていれば、社長の決定に対する批判も生まれません。

「会社を思い、社外・市場を見据えている社長による決定」という意識が社員にうまれるだけでなく「仮に批判を言っても、社長に届くような距離感ではない」意識を持つこともできます。

「社員の意見に社長が右往左往しない」という、組織として機能する上で当然の状態を保たなければなりません。

それでは、社長がすべきもう一つのマネジメント「社員にビジョンを示す」についてもご説明しましょう。

「ビジョン」は社長特有のマネジメントです。
部長・課長にも似たマネジメントはできますが、数ヶ月・数年後の会社の具体的な姿を思い描けるのは、社長の他にありません。

全ての社員は「上司からの評価を得る」為に、目標に向かう一方「市場」という「会社の外からの評価」を社長は意識していなければなりません。

「会社の外」を見ているからこそ
「会社は今、世間からどのように見られている。」
「メディアに対してはこのような戦略で対応し、どのようなブランドを確立してきた。」
「競合他社ではこのような動きがあった。一方当社はこのような独自路線だ。」
など、社会における会社の変化や、今後を説明することができるのです。

「ビジョン」を示すのは、社長にとって大きなプレッシャーとなります。
良い見通し・高い目標であればなお、社長は自分自身に高い目標設定を課すことになります。

そして、それを社員たちも感じ取ります。
社長の高い目標を、細分化して降りてきた各社員の目標に対して、その重要性を理解し、仕事に取り組むことができるようになります。

マネジメント理論「識学」は、社長・上司が「言葉」で一時的に社員のモチベーションを高める行為を、基本的には否定しています。
しかし、この「ビジョンの明示」は、社員全体のモチベーションを「一時」ではなく「長期的」に高めることができます。

そして、社長がビジョンを実現し続けることで、会社に対する信用が生まれ、帰属意識・愛社精神や誇りを醸成します。
これらは副次的なものであり、共に同じ目標を目指した結果うまれた「感情」にすぎません。

社長は決して「社員が愛社精神を持つこと」を目指してはいけませんし、これによって社員を評価してはいけません。

しかし「愛社精神を社員に持って欲しい」と、社長が社員に頻繁に関わろうとする会社ほど、会社に対する批判的な感情が強く「毅然として成果で評価する」ほど、会社と社長が信頼される傾向にあることも事実です。

「社員と十分な距離をとる」
「社員にビジョンを示す」

2つのマネジメントはいわば「社長は『社長の仕事』をしており、共に役割を果たすことで、良いビジョンに向かう」ことを、言葉ではなく、社長の行動で示すものなのです。



◆社長の真の仕事

そして、社長のメイン業務はマネジメントではなく「市場の評価の獲得」です。

「企業ブランドの方向性の決定」
「メディアへの露出方法・対応」
「新事業の開拓や新技術の導入」

大きな決定は、社長にしかできない、社長業務です。
社員もそれを理解しており、しかし、社長業務を二の次にしている社長が多いことも事実です。

社長業務とマネジメントは、密接な関係があり、相乗効果を得ることもできれば、負のスパイラルに陥ることもあります。

社長が「社内の批判的な意見」を気にかける。
統率をとる為に、社長自らが現場の意見を聞いたり、現場の声を汲むようになる。
中管理職は、これによって形骸化し、自ら考えて目標達成を目指しても「社長のやり方」に定期的に刷新される。
常に、各部署に指示を飛ばす社長は、社長業務をおろそかにする。
大きな経営転換や進歩がなく「社長のやり方」に従ったのに、成長の実感が得られない。
社内で批判的な意見が増える。

ほんの一例ですが、このような状況に苦しむ社長は少なくありません。
仮に業績が上がっていても、これでは社長の指示がなければ、自ら考えて目標達成できない人材を量産してしまいます。

社長は社員に意見を求めず、明確な目標だけが社員に課される。
達成方法は完全に各人に任され、達成した者は評価され、未達成者は評価が下がる。
社員はやり方を試行錯誤し、数タームで自ら思考し、達成するようになる。
3ヶ月〜半年に一度、社長によりビジョンが伝えられる。
社長と社員それぞれに、明確な責任範囲があり、共に達成し続けることで良い未来をイメージする。
新たな目標に、自信と責任感を持って取り組む。

前者と後者の分かれ目は、社長の意識一つです。
負のスパイラルに陥らない為に、社長はもちろん、組織のリーダーは「自らの仕事」に最大限意識を向けましょう。

最後に、社員が共感し感化されるような「ビジョン」は何か、についてお話します。

社員は「会社の社会的立場」が上がり、これに伴って「自身の社会的立場」が上がることを望みます。

「地元のラジオ番組で取り上げられるので、知名度が大幅に上がるだろう。」
「あの有名大学と共同研究が決まった。」
「当社の開催予定イベントに、すでに有名企業を多数誘致している。」
「来年には従業員数が50名を超えるだろう。」
「3年後には上場する見通しで目標設定している。」

目標は会社によりますが、会社が前に進んでいることを社員に示し、社員一人ひとりの目標達成が何につながるのか、を宣言してください。

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List

2019年12〜2020年2月にかけて配信される全12回の識学メールマガジンのうち、前半の6回分をまとめたものです。
第7回以降のメールマガジンをご覧頂く際に、ご参照ください。第7回以降は、メールマガジンでのみ毎週金曜日17:00を目安に配信しておりますので、是非ご確認ください。
第1回
姿勢のルールと行動のルール
第2回
生産性を高める人事評価
第3回
責任は重複させない
第4回
部下が成長するマネジメント
第5回
姿勢のルールと行動のルール
第6回
生産性を高める人事評価
第7回
識学序盤の総論「シナジー効果について」
第8回
部下が感じる2種類の「恐怖」について
第9回
勇気を持って「任せるマネジメント」をすべき理由
第10回
部下のモチベーションを高めることはできない
第11回
マネジメントは社長の主な仕事ではない
第12回
全てのマネジメントは相互に繋がっている

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