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第8回:部下が感じる2種類の「恐怖」について
2020.01.31配信

部下が感じる2種類の「恐怖」について
◆生産性を長期間維持するための「必要な恐怖」

マネジメントにおける「恐怖」と聞くと「感情的な上司が怒号を飛ばし、過酷な競争を強いられる」環境を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

「恫喝」や「競争で負けること」への恐怖は、組織にとってマイナスでしかありません。

悪意をもって怠慢する部下でもない限り、感情的に怒鳴られて成績が上がることはありません。
そして、怒鳴られることを恐怖するような部下は、そもそも悪意をもって怠慢などしていないでしょう。

1000以上の弊社のクライアント企業の中にも、かつては、この種の「恐怖」も必要であると考える経営者・管理職の方が多くいらっしゃいました。

「明確な役割・権限・目標を設定しても、社員も人なんだから『できるだけ楽をしよう』と思うでしょう。
『サボったら怒られる』『手を抜いたら同期が先に出世する』という恐怖がなければ、全力で仕事できないでしょう。」

このような恐怖政治型の経営者・管理職の方は、年々減少していますが、業界によっては未だ色濃く残っています。

識学は「恫喝」や「出世競争」に依存したマネジメントを否定していますが、一方で役割・権限・目標を明確化するだけでは、長期間高い生産性を維持できないことも事実です。

高い生産性を維持するために「正しい評価制度」は必須ですが、さらに高い効果を目指すなら「必要な恐怖」を社員・部下が感じられる環境が有効です。





◆「不必要な恐怖」が誤った行動を引き起こす

「必要な恐怖」とは「目標を達成できない恐怖」です。
逆に言えば「目標を達成できない恐怖」以外の恐怖は全てが不必要な恐怖、部下にはできるだけ感じさせたくない恐怖です。

「また上司に怒鳴られるかもしれない。」
「同期が先に出世するのは辛い。」
「降格になったら嫌だなぁ。」
「減給になるなんて耐えられない。」

これら「不必要な恐怖」が組織にとってマイナスだと言い切るのは「不必要な恐怖」が誤った行動を引き起こすためです。

一人の部下になったつもりで考えるとイメージしやすいかと思います。
例えば、上司不在の際に自分の仕事に大きなミスが発覚したとします。

「このミスによってロスが発生し、目標達成の障害になるかもしれない」という「必要な恐怖」に意識が向かえば、このミスによる損害を最小限に止める為に全力を注ぐでしょう。

一方、日頃から「恫喝」や「過度な競争」によって「不必要な恐怖」を感じていたらどうでしょうか。
ミスが発覚した途端に「怒られる」「競争に負ける」という余計なストレスを感じ、どのように言い訳をするかを考え、悪ければミスを隠そうとするかもしれません。

「不必要な恐怖」は、目標達成につながらない行動を生み出します。
そして、このような行動を部下にさせてしまうのは「上司の振る舞い」「上司の定めたルール」に根本的な原因があると考えなくてはなりません。



◆識学社内ルールの一部を解説

正しい「上司の振る舞い」については、第4回メルマガ「部下の成長・衰退は本人よりも上司次第」にて、まとめています。

上司は部下とプライベートに踏み込んだ関係や、感情的なやりとりをすべきでないことをお伝えしました。

今回は実際に「不必要な恐怖」を排除し「必要な恐怖」を感じられる環境を作るために、実際に弊社「識学」が実践し、数多くのクライアント企業様にも採用されている具体的なルールをいくつかご紹介します。


01.感情的なコミュニケーションの禁止

識学社内では、ネガティブなコミュニケーションの一切を禁止しています。
たとえ、正しい主張であったとしても、不快を示し、叱責するようなことは許されません。

「怒られたくない」という不必要な恐怖によって、部下が本来の目標を見失わないように、ネガティブな感情を示してしまわぬよう自制しなくてはなりません。

これは特に管理職が意識すべきなのは言うまでもないですが、全ての社員に共通のルールとして課されるものです。


02.対策を考え上司の承認を得る

上司が感情的に怒らないとはいえ、失敗が無制限に許容されるわけではありません。

ミス・未達成をした部下は、次回に改善をするための「明確な対策」を考え、上司の承認を得なければなりません。

「次期では売上を達成するために、今期の成約率から逆算して、初月に30のお客様を訪問します。」
「製品の不良率を下げるために、こちらのチェックリストを使用します。」

感情的なコミュニケーションを排除し、対策の捻出をルール化することで、失敗が起きた際に即座に生産的な対策を考えるようになります。


03.上司と部下の一対一の週次会議

識学社内の週次会議は「必要な恐怖」を感じる場でもあります。
週次会議は、部下が上司に対し「目標に対する現状」と「不足に対する対策」を報告し、承認を得る場です。

もし、目標に対して、現在の進捗が遅れているのなら部下は、上司が納得するだけの対策を考え、プレゼンしなければなりません。

対して上司は、決して「なぜできなかったのか」と詰問してはいけないこと。
仮に、目標未達成で期を終わったとしても、過去の「できなかった原因」を探るより、未来の「どうしたらできるか」に集中しなくてはなりません。


04.上司から方法を提案しないこと

そして、たとえ週次会議の場であったとしても、上司から「未達成の原因はここにあるから、このように取り組みなさい」とアドバイスしてはいけない、ということです。

「必要な恐怖」は言い換えれば「自分の責任で行なった仕事の成果が出ない恐怖」です。
上司が達成までの道筋を強要することは、部下の「責任感」と「主体性」を損ないます。

仮に未達成で期を終えたとしても「上司の言う通りにしたのに、達成できなかった」と考えてしまう環境と「私のあの時の選択が誤りだった」と思える環境では、その後の部下の成長に雲泥の差がうまれます。



◆実際にどのような変化が起こるのか

これら4つのルールは、識学社内のルールの一端ですが、同様のルールを定めた企業様でも生産性を大きく向上しています。
特に、冒頭でお話したような「不必要な恐怖」を推し進めてしまっていた経営者様は、会社の変化に驚かれることが多いです。

上司から部下への恫喝が当たり前だったオフィスが、識学を導入した途端に「感情的な上司」が指摘されるようになります。

仕事の仕方を1から10まで指示され、未達成なら「なぜこの方法でもできないのだ」と詰問されていた部下たちが、今度は上司から仕事の仕方を押し付けられなくなります。

もちろん、識学を導入して最初の数週間は、会社全体で戸惑いがうまれます。

「ミスしているのに、叱責しなくていいんですか?」
「あれ?失敗したのに怒られない。」

しかし、2ヶ月目には、部下自身が目標達成までの道筋を考えるようになり、3ヶ月目には成果が向上し始めます。

この場合の「成果」は、一つは売上や成長性の向上ですが、もう一つは「離職率の低減」です。

感情的に怒られたり、いわゆる「詰められる」ことがなくなったことで、部下の離職は大きく減ります。
そして意外なことに「1から10までやり方を指示」し「部下を叱責」していた経営者・管理職の離職も同様に激減しています。

多くの経営者・管理職の方は

「今まで必要だと思っていたから怒鳴っていた。」
「怒らなくても、部下自らが全力で対策を考えることが理解できた。」
「部下に任せるようになってから、仕事が楽になった。」
「部下からは、私では思いつかないような業務手法が報告として上がってくる。」

とかつてのマネジメントを振り返り、感情的なマネジメントによって、自らチームの生産性を下げていたことを自覚しています。


最後になりますが「必要な恐怖」を感じられる組織を作るには、組織の長、会社であれば「社長」が、先のルールに準じた行動・言動をとっている必要があります。

「できなかったらガツンと叱らなくて、何が上司だ」という意見を持つ社長から見れば、怒声を上げず、部下の主体性に任せる管理職は怠慢にさえ見えるかもしれません。

だからこそ、もし社員に対し「不必要な恐怖」を抱かせてしまうマネジメントをしていると、自覚されている経営者様は、是非一度、識学のセミナー等のコンテンツにふれてみてください。

「怒らない経営がこんなに楽だと思わなかった」と、多くの弊社クライアント企業様同様に、感じて頂けることと思います。

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2019年12〜2020年2月にかけて配信される全12回の識学メールマガジンのうち、前半の6回分をまとめたものです。
第7回以降のメールマガジンをご覧頂く際に、ご参照ください。第7回以降は、メールマガジンでのみ毎週金曜日17:00を目安に配信しておりますので、是非ご確認ください。
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第2回
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第4回
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第5回
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第6回
生産性を高める人事評価
第7回
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第8回
部下が感じる2種類の「恐怖」について
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勇気を持って「任せるマネジメント」をすべき理由
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部下のモチベーションを高めることはできない
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