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第7回:シナジー効果について
2020.01.24配信

識学序盤の総論「シナジー効果について」
◆過去6回の識学メールマガジンは今回のシナジー効果を生み出す為だった

12月から始まった当該メールマガジンの前半がすでに終了しました。
本日のテーマに入る前に、過去6回のテーマを振り返ってみましょう。

過去6回のメルマガは「マネジメントが正しく機能する環境」を作る為の内容でした。
これに対し、後半は「その環境下でどのようなマネジメントが生産性を高めるのか」を解説します。

その先駆けとして、今回は第1回〜第6回の内容を正しく実践できた時に生まれる、組織内の「シナジー効果(相乗効果)」を解説します。



◆誤ったマネジメントがシナジーを潰してしまう

シナジー効果(相乗効果)について、わかりやすい例を上げてみましょう。

「営業部署内の一人が、ノルマを大幅に超える売上を達成し、同階層のメンバーの売上もつられるように上がっていった。」
「今までの半分の時間で制作作業を行うエンジニアが入社し、チーム全体の制作スピードまで向上した。」
「一人のサポート係の顧客満足度が飛び抜けており、彼女の水準に課全体のサービスが高まった。」

いずれもシナジー効果を得られている「良い」状態です。
仮に、上記の営業部署でもともと最下位だった営業マンが個人で営業活動をしていたら、シナジー効果後のような成果は得られなかったでしょう。

シナジー効果は、組織で仕事をするメリットとして「分業・協業による効率化」に並ぶ、大きな効用の一つと言えます。

しかし、マネジメントを誤れば、シナジー効果は生まれません。

例えば、 第1回のメルマガであったように、社内ルールが整っていない組織ではどうでしょうか。

営業部署内のルールが不明確で、営業手法もバラバラだと、仕事に関する共通の認識が少なく、各営業マンが意見交換をしにくくなります。
トップ営業マンと、最下位の営業マンは、ルールがないために各々の「常識」に従って営業をするでしょう。
トップ営業マンが、夜遅くまで電話営業を続ける一方「夜遅くに電話するなんて非常識だ。自社の評判を落としている。」と最下位営業マンは考えるかもしれません。
営業部署全体の価値観・ルールがバラバラな状態で、組織運営を続けた時、最下位の営業マンは果たして反省し、今後のやり方を改善するでしょうか。

この場合、営業部署の長によって「電話をかけてもよいのは19:00まで」など明確なルールを敷くべきです。
同ルール下で「できる者」「できない者」がいるという事実を各メンバーが受け入れる下地を整えなくてはなりません。

また、 第2回、 第5回のメルマガであったように、誤った評価制度を敷く企業でも同じことが言えます。

本来、早く仕事を終わらせれば、会社にとってメリットなはずです。
しかし、仕事が遅い者ほど残業代によって「より多くの報酬」を得ている状況は、現代企業でも多く見られます。

このような環境で、仕事を早く、より多くこなす者がチーム内に一人現れてもシナジー効果は生まれません。
普段から「同様の業務を深夜まで行うことで、より多くの月給を受け取っている者」は、早く仕事をすることが経済的なデメリットになるからです。

「ルールが整っていないことを売上を上げられない理由にする営業マン」
「残業代を受け取るために、意図的に遅い仕事をするエンジニア」

もし、マネジメントを行う立場の方で、彼らを叱責しようと考える方がいるなら、それは大きな間違いです。
問題は「彼らの性格」ではなく「環境」にあり、その環境を変えていない「経営者」「管理職」にこそあるのです。

「一定の期限内に、より多く制作・納品するほど、高い評価を得られ、これが給与に反映する。」

という、ルールが敷かれれば、同じメンバーであっても、この制作チームの生産性は大きく向上し、より早く高品質な仕事をするためにノウハウを共有し合うでしょう。



◆シナジーを生み出し大きく成長した「営業代行会社」

実際に、経営者のマネジメントを変え、大きなシナジーを生み出した事例の一つをご紹介します。

「株式会社セールスプロ(仮)」は、東京の「営業代行会社」です。
BtoB向けの「学習商材」や「デジタルツール」などの無形商材を代理店として販売する事業を行なっており、約25名の営業マンが5つの課に別れていました。

特徴的だったのは、ほぼフルコミッション=完全歩合制に近い、極端なインセンティブ制度でした。
売上次第で給与が減るため、全ての営業マンが「自分の数字」にシビアになれる環境でした。

しかし、全ての営業マンが「事務作業が増えること」「上司からの作業指示」「同僚の手伝い」によって「自分の営業活動」が阻害されることを嫌い、従わない環境とも言えました。
「事務作業」を行なっても一切の評価が得られない上に、各営業マンの「自分の数字」が減れば、給与も減るという環境のため、上司も部下に指示を守らせることができていませんでした。

結果「管理職は深夜まで残業するようになり、離職していく。」など「数字主義」の体制によって、様々な綻びが生まれていました。


「設立当初は、フルコミッションなら実力ある社員が高いモチベーションを維持できて、メリットしかないと思っていたんです。
私自身『営業マン』時代に『売上をあげるほど報酬が増えるなら、いくらでも努力できる』と感じていましたしね。

ただ、ここ数年は、この体制にしたことを後悔しています。
当社の営業マンは、皆が仕事に本気です。
自分の報酬に直結しているのだから、それは当然だとも思います。

しかし、自分の報酬につながらない業務には、無関心なんです。
個人主義で、愛社精神や仲間意識、帰属意識は、ほとんど無いだろうと思っています。

本来、たとえ売上に直結しなくとも、営業マンが行うべき仕事はありますが、これを怠慢するメンバーばかりです。
社長の私から直接指示をしても、為されないのです。

当然、会社全体の売上は停滞しています。
何より、できる営業マンは残るが、成長を期待していた新人営業マンたちの離職が多くて、社員が増えません。

このままでは、当社のこれ以上の成長はありません。
加えて、この殺伐とした社風では、誰も幸せにならないと感じ、相談したんです。」


セールスプロ社長の識学導入前のお言葉です。

これを受けて行なった「マネジメントの変革」は、通常の識学導入と変わりません。

「社内ルールが守られる風土を醸成するため、2種のルールの導入・実践」
「売上だけでなく、上司が求める複数の成果によって評価される制度の導入」
「評価制度に対応した新しい給与制度の導入」
「各社員への明確な目標・責任・権限の設定」

などを行いました。

変革の過程で異議を唱える社員も現れました。
変革の内容に同意できず、離職した社員も複数ありました。

これらの反応があっても、社長は識学講師のアドバイスに基づき、毅然として、マネジメントの変革を進めました。
この変革期は、社員たちの間で不安の声も多く、ナイーブな時期だったと思います。

しかし、3ヶ月後には成果が見え始めました。

正しいルールによって営業マンの質がより均一化され、社員数は若干減っているにも関わらず売上は向上しました。

一部の社員は、売上と並行して新入社員の教育に責任を持つようになりました。
新入社員が成果を上げれば、教育社員も一定の評価を得ることができます。
これにより、教育社員は教育の質の向上を図るようになり、十分な教育を受けられることで、新入社員の離職は数年に渡り全くのゼロとなりました。

また、これまで「売上」だけであった評価項目も、管理職の判断で変更できるようになりました。
これにより「契約書類の作成」にも、一定の評価が付与されるようになり、管理職の残業時間も軽減、離職が止まりました。

そして何より大きな成果は、各営業マン・各課同士で大きなシナジー効果が現れたことです。

社内の1人の営業マンが、高額な売上を上げると、それに連動して社内全体の売上が向上するのです。
これは、正しい社内ルールが整備されたことで「同じ条件で営業をしているにも関わらず、なぜ大きな差が生まれるのか」を各社員が理解しようとし、また理解できる環境である為でした。
同時に、優秀な営業マンが社内にノウハウを共有することに、一定の評価を付与することで情報共有が一気に進みます。

セールスプロは、識学導入から3年後に過去最高売上を達成し、200人を超える企業となりました。


「マネジメントを学ぶまでは、正直、全部社員が悪いんだと思ってたんですよ。
事務作業はサボるし、その尻拭いで管理職が圧迫されて、会社を離れていく。
みんな自分のことばかりで、新人に仕事を教えてあげないから、新人がどんどん辞めていく。

しかし、思い返せばすべての原因は、社長の私にありました。
社員の皆は、私が定めたルールに沿って、合理的に行動していたにすぎないんです。

実は、マネジメントトレーニングをはじめた当初は
『どうすれば、社員に私の言う通り行動してもらえるのか』を
教えてもらえるのだと思っていたんです。

実際には
『社員が自ら、会社の利益となる行動を取ってくれる仕組み造り』を
学ぶことができました。

同じように苦しむ経営者やマネージャーの方が、正しいマネジメントの考え方を知って、少しでも減るといいですね。
間違ったマネジメントは、社長も社員も、誰も幸せになりませんから。」


社長は、マネジメント変革前の自らを振り返って、このように仰いました。



◆シナジー効果の重要性

シナジー効果がある会社と、無い会社では、その成長スピードに歴然の差が出ます。

150%・120%・80%・50%の目標達成をする4人の営業チームを想像すると分かりやすいかと思います。

150%の営業マンを基準に、彼が行なっている「お客様への書類送付のタイミング」や「サンクスメールの内容」など、成約の要因になっている要素をルールとして、チームに取り入れたとします。

これによって、残り3人の営業スタイルが150%営業マンの水準に近づいていきます。

仮に、150%営業マンとの差が毎月20%ずつ埋まっていくとどうなるでしょう。

4人の売上の推移(月次)
150 → 150 → 150 → 150 → 150 → 150 → 150
120 → 126 → 131 → 135 → 138 → 140 → 142
080 → 094 → 105 → 114 → 121 → 127 → 132
050 → 070 → 086 → 101 → 111 → 119 → 125

チームの売上の推移 (月次)
400 → 440 → 472 → 500 → 520 → 536 → 549
400万円の売上だったチームなら、半年後には549万円をコンスタントに売り上げるようになる計算となります。

もちろん、現実においては「課せられたルールにうまく適応できないことによるルール導入直後の成績不振」などのネガティブな事情や「最優秀営業マンのさらなる成長による最高売上の上昇」などのポジティブな要素も起こります。

単純な計算では、説明しきれない事象も実業務では起こりますが、これは決して机上の空論ではありません。
実際に、マネジメントの変革によって、大きく成長してきた多数の企業がございます。

是非、あなたの会社・チームでも、シナジー効果を生み出せる土台を整備し、社員・メンバーを成長させ、豊かにできる組織を目指してください。

メールマガジン一覧
List

2019年12〜2020年2月にかけて配信される全12回の識学メールマガジンのうち、前半の6回分をまとめたものです。
第7回以降のメールマガジンをご覧頂く際に、ご参照ください。第7回以降は、メールマガジンでのみ毎週金曜日17:00を目安に配信しておりますので、是非ご確認ください。
第1回
姿勢のルールと行動のルール
第2回
生産性を高める人事評価
第3回
責任は重複させない
第4回
部下が成長するマネジメント
第5回
姿勢のルールと行動のルール
第6回
生産性を高める人事評価
第7回
識学序盤の総論「シナジー効果について」
第8回
部下が感じる2種類の「恐怖」について
第9回
勇気を持って「任せるマネジメント」をすべき理由
第10回
部下のモチベーションを高めることはできない
第11回
マネジメントは社長の主な仕事ではない
第12回
全てのマネジメントは相互に繋がっている

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