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第3回:責任は重複させない
2019.12.20配信

成果を上げる「責任」の設定方法
◆免責について

まず「責任」がうまく機能していない場合に起こる「免責」の考え方についてご説明します。
責任を重複させないことは、この「免責」を避ける為にあります。

免責は「売上の未達成」や「ルールの違反」があった時に「誰もそのペナルティを負わず、改善もされない」という状態です。

免責意識のある営業マンは目標が達成できなかったとしても「営業サポートのせい」「他部署を手伝ったせい」「会議が多かったせい」と「他責」の意識になってしまいます。
しかし、営業マンが他責の思考になってしまうのは、彼の性格に起因しているわけではありません。

「目標を達成なくてもペナルティがない」「営業マンの評価軸を明確にしていない」という状態で放置しているマネジメントに問題があるのです。
1,000を超える当社のクライアント企業から「免責」を排除できず苦しんだ例と、その改善の過程をご紹介致します。



◆間違ったマネジメントが生み出した免責意識

当時、約60名ほどだった当該企業は、ここ数年の売上の低迷に悩んでいました。

社長から識学へ、お悩みを話してくださった中では
「会社が停滞し、どこの部署も悩んでいるから、部署を超えて意見交換を行い、改善を図っている。」
「支店間でも積極的な協力体制を築いている。社員同士は皆、手を取り合って頑張ってくれている。」
「社内の細かな問題・改善点にも気づいた人が動いてくれる社内風土を目指している。」
と、各社員が会社を想って自由に行動できる社風を感じました。

しかし、同時に「協力体制」が生み出す免責意識への危機感も感じてしまいます。

さらに深くお話を伺うと
「営業部の営業手法に、管理部の意見を取り入れている。」
「支店が協力して取り組む案件は、売上の分配と責任の所在も曖昧である。」
「例えば、コピー用紙の補充など『気づいた人がすべきこと』は実際には成されていない。」
とのことでした。

そして、これらの誤ったマネジメントこそ、この会社の低迷を招いてしまったと気付いたのです。



◆免責のメカニズムの一例

社長がお話してくださった3つの社内風土は、どれも免責意識を助長するものです。

「会社が停滞し、どこの部署も悩んでいるから、部署を超えて意見交換を行い、改善を図っている。」
という状態を例に、問題点を紐解いてみましょう。

営業支店は「売上を上げる為」に様々な施策を考え、営業手法に落とし込み、日々実践しています。

そんな中、1件の営業マンに対するクレームを受けた管理課社員が
「お客様の為に、今後は各支店で満足度を図るアンケートを実施すべきです。」
と意見したとしましょう。

正しく機能している組織であれば、このような責任の及ばない領域への意見は参考になっても、強制力はありません。

しかし、この提案を
「自分の業務と関係が無いにも関わらず、会社の為を思ってしてくれた提案だ。」
と、社長がポジティブに受け取り、さらにこの管理課社員を高く評価するようなことがあると、組織は混乱します。

「責任外への意見」を各社員は積極的に行うようになり「他部署からの意見」を受け入れ、実行しなくてはならない無言の圧力が社内で発生します。

結果、各営業支店長は「他部署からの意見」に対応し、かつ「売上」も上げるよう求められます。

さらに「他部署からの意見」は必ずしも有用なものではありません。
現場を最もよく知る支店長から見て「反対」したくなる意見もあったかもしれません。

そうなれば、売上が上がらないのは「他部署からの間違った施策のせいだ」という免責の意識も理解できてしまいます。

社長の「自分の責任外でも、会社の為に意見せよ」という方針こそが様々な弊害を生んでいたのです。



◆責任と権限を明確にし免責を排除する

このメカニズムに気づいた社長は、速やかに社内ルールの整備をはじめました。
細かく見れば様々な施策を行いましたが、その原点はただ一つです。

「一つの責任には、一人の責任者がある」

どのような仕事にも、責任者はただ一人であるという仕組みでした。

「支店の売上」という責任には「支店長」という責任者があります。
「支店の売上」の為の、他部署からの意見を「聞く」か「聞かない」かは、支店長が決めるものです。
同時に「支店の売上を果たす為の施策は支店長が決める。」という権限も発生します。

「AB支店協力案件を成約する」という責任には「A支店長」という責任者があります。
「AB支店協力案件を成約する」為の、B支店長の意見を「聞く」か「聞かない」かは、A支店長が決めるものです。
ここで同時に「この案件の為にAB支店のメンバーに指示できる」という権限も発生します。

このように一つの責任に対し「みんなで取り組もう」という曖昧なスタンスを取り下げることで、この企業は大幅な成長を遂げたばかりか、離職率も激減させることができました。

識学導入前を知る支店長は、昔と今を比べてこのように仰います。


「昔は、私が何の為に支店長をしているのかわかりませんでした。
いろいろな部署からの意見に左右されて、それで疲弊して、売上も上がらなくて。

売上が上がらないことを『自分のせいじゃない』とまでは思っていないつもりでしたが、達成の為に100%頭を使っていたか、というとそうじゃなかったですね。
『管理課からのあの書類をまとめなきゃ』とか『営業サポートさんが言ってたあの案内をお客様にしなきゃ』とか、正直『これはやっても売上にならないだろうなー』っていうことの為に深夜まで働いたりしてました。

今は支店が達成するか、しないかは全て私の選択と行動次第です。
私が選択を誤れば支店は達成しません。
時々、私には思いもしないような施策が他部署から上がってきて採用することがありますが、そうでないものは一切取り組みません。

この責任と権限の明確化が、明らかに当社の今の成長に繋がったと思います。」


識学では、責任と権限が不明確なことで「社長」も「社員」も苦しんでいるというケースを、1,000社を超えるクライアント企業の中でたくさん見てきました。
もし、あなたの組織でも心当たりのある問題がありましたら、是非「責任と権限を明確にし免責を排除する」ことの重要性を思い出してください。

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2019年12〜2020年2月にかけて配信される全12回の識学メールマガジンのうち、前半の6回分をまとめたものです。
第7回以降のメールマガジンをご覧頂く際に、ご参照ください。第7回以降は、メールマガジンでのみ毎週金曜日17:00を目安に配信しておりますので、是非ご確認ください。
第1回
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第2回
生産性を高める人事評価
第3回
責任は重複させない
第4回
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第5回
姿勢のルールと行動のルール
第6回
生産性を高める人事評価
第7回
識学序盤の総論「シナジー効果について」
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第9回
勇気を持って「任せるマネジメント」をすべき理由
第10回
部下のモチベーションを高めることはできない
第11回
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第12回
全てのマネジメントは相互に繋がっている

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