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第1回:姿勢のルールと行動のルール
2019.12.06配信

ルールの使い分けが生産性を高める
◆組織が正しく機能する大前提「位置」の概念とは

上司からの指示に部下が不満を示し、最後には感情的にぶつかり合ってしまう、という経験はありませんか?

「上司の指示が理不尽だった」
「部下の態度に問題があった」
など、どちらにも非を見つけることができますが、いずれにしても根本には「組織内での立場(位置)をお互いが明確に認識していない」ことがあります。

「位置」の認識がズレていることによる問題は
「社長の決めたルールが社内に浸透しない」
「上司の指示に部下が従わない」
「感情的な上司が生まれ、現場が疲弊する」
「会社への批判が社内で蔓延する」
など、限りがありません。

マネジメント理論「識学」は「成果を上げる組織を作るマネジメント理論」ですが、第1章の「位置」が整った状態でなければその後に続く「結果」「変化」「恐怖」「目標」で学べるマネジメントも、ほとんど効果を発揮しません。



◆「位置」が整った組織とはどのような組織か

それでは「位置が整っている」とはどのような状態のことを言うでしょうか。

識学では
「ルールが明確で守られている」
「各メンバーの役割と責任が明確である」
大きくこの2つを重要視しています。

「ルールが明確で守られている」は、簡単なようで日本の多くの組織で実現していません。

例えば、社長が「遅刻をしてはいけない」と考える人物であったとします。
しかし、現場では5分程度の遅刻なら問題視されていない状態である場合、ルールは明確でなく守られてもいません。

社長は「社員はだらしない」と不平を言ったり「感情的に叱る」のではなく「午前8:00には所定の勤怠システムで打刻をすること」とルールを明示しなくてはなりません。

「各メンバーの役割と責任が明確である」は、各メンバーの業務上の目標(売上や製造量、作業量など)が明確であるかを指しています。

課長はチームの営業方針を決める「役割」を持っており、チームの売上に「責任」を持っている。
課長はチームの責任を果たす為に、部下3人に個々の役割と責任を設定している。

部下は課長に与えられた役割と責任の範囲でのみ評価される。
たとえ、チームの売上が悪かったとしても自身の役割と責任を果たしていれば評価は得られる。
逆に、自分が求められていない業務で、上司にアピールをしても決して評価は得られない。

この認識を明確にする必要があります。

ここまでお読み頂いて、あなたの組織ではいかがでしょうか?
「こんなことは当たり前だ」とお思いでしょうか?
それでは、この認識を持っていても、実業務では起こりがちな問題を見ていきましょう。



◆実際の業務で起こりがちな位置認識を損なう事例

「位置」が組織において大切だと認識していても、日々起きている問題には気づけていないかもしれません。
よくある例を3つほど上げてみましょう。


1.社内ルールが不明確なケース

当社のとあるクライアント企業様では「挨拶を徹底しましょう!」と社長が打ち出していました。社長には「社内に活気が出るように」「地域の方にも快く思ってもらえるように」など様々なが意図がありました。

半年に一度の全社会議で、社長が社員に向け「挨拶の徹底」を打ち出してから、各支店は社長の意思に沿って「挨拶の徹底」を試みました。しかし、社長の意図の通りには進みません。

各支店で基準はバラバラで、支店長にボソッと挨拶をする社員もいれば、オフィス全体に聞こえる声で挨拶する社員もいます。各支店長の基準もバラバラなので「声が小さい」と注意されることもあれば「声がうるさい」と注意されることもあります。

しかし、そのいずれも社長の意図する「活気」と「地域交流」には結びつかず、支店長のさじ加減で注意される部下の不満が募っただけでした。


2.プレイングに走る管理職の問題

とある企業様では、優れた成績を上げた営業マンが支店長になっていました。ある支店長は支店の売上の低迷が続いており、その結果自ら売上を上げる「部下と同じ業務」を行うようになりました。

部下は混乱し、支店の売上はさらに落ち込みましたが、次の四半期でも支店長は働き方を変えようとしません。

この支店長は「優れた営業マンであること」が、より上位の役職者となる条件と考えており、支店長としての「役割」と「責任」が認識できていませんでした。

個人としてどれだけ多くの売上を上げたとしても、チームとしての成果が出ていない以上、本来評価は下がるはずでした。
しかし当企業様では、一人で高売上を上げる支店長を、むしろ「支店の窮地を救う為、自ら営業する優れた支店長」として評価していたのでした。


3.管理職をとばした社長と現場のコミュニケーション

とある企業様では、社長が「管理職が育たない」と嘆いていました。各支店の売上は、いずれも目標を下回っており、社長自身が末端の営業マンからも話を聞いて、営業方法を細かく指示していました。

「各支店長にマネジメント能力がないから、売上が上がらない」と社長はお考えでしたが、実態はそうではありませんでした。

社長から直接指示を受けた社員は、上司より社長からの指示を優先します。支店として統一していた営業手法から、支店長の知らぬ間に一人が逸脱し、支店長はこれを注意します。

部下は「社長にはこう言われました」と反発し、支店長も「社長からの指示ならば」と、変更を受け入れざるを得ませんでした。しかし、今の現場を最も知っているのは支店長であり、支店の売上という責任も支店長にあります。

各支店の売上を報告する会議では「社長のご指示の通りに変更したが、うまくいかなかった」という「支店長の責任逃れ」に近い発言も現れてしまう状態となってしまいました。

これを受けて社長はさらに支店長を低く評価し、現場を任せられず介入し、支店長の責任感はさらに薄れる、という負のループにはまっていました。



◆「位置」を正すマネジメント

「形骸化してしまった社内ルール」
「友達のような関係性になってしまった上司と部下」
「社長と直接やりとりをする末端の社員」
など、位置がズレしまった組織と社員を正す方法の一つに「姿勢のルールと行動のルールの設定」があります。

「姿勢のルール」は、上司が部下に「必ず守らせる」ルールです。
その為、このルールは誰にでもできて、明確なものでなければなりません。

例えば
「出社時は8:30までに所定の勤怠システムで打刻された状態にすること」
「挨拶は所定の位置で、該当エリアの全ての人に聞こえるようにすること」
「シャツは白だけを着用すること」
「勤務中のピアスは禁止」
などが上げられます。

これらのルールは守られなければ即座に上司が注意すべきです。注意をしても守られなければ、必要な処分が下ることも伝えなくてはなりません。

全ての社員がこれを守ることで「社内ルールを守る」という当然の文化が醸成されます。

一方で「行動のルール」は「守れないことが起こりうる」ルールです。

例えば
「今四半期で500万円の売上を上げること」
「今月で100ロットの生産を上げること」
「本日30人を集客すること」
などが上げられます。

これらは、この役割と責任を担う社員によって結果の可否が分かれます。未達成に対して「姿勢のルール」と同じように「ルールを守りなさい。守れなければ降格もあり得ます。」とプレッシャーを掛けても悪影響です。

「行動のルール」が守れなかった場合には、部下から「次は達成できるよう、どのように対応する。」という改善案を受け、これを上司が承認するというプロセスが必要です。

日本の多くの企業で、この「姿勢のルール」と「行動のルール」が混同され、若手社員の離職が増加しています。この点はマネジメントの基礎として管理職以上の方は心得ていなくてはなりません。

「位置」が整えば、組織は目に見えて高い生産性を実現します。あなたの組織で、少しでも「位置ズレ」に心当たりがありましたら是非「姿勢のルールと行動のルール」を思い出してみてください。

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2019年12〜2020年2月にかけて配信される全12回の識学メールマガジンのうち、前半の6回分をまとめたものです。
第7回以降のメールマガジンをご覧頂く際に、ご参照ください。第7回以降は、メールマガジンでのみ毎週金曜日17:00を目安に配信しておりますので、是非ご確認ください。
第1回
姿勢のルールと行動のルール
第2回
生産性を高める人事評価
第3回
責任は重複させない
第4回
部下が成長するマネジメント
第5回
姿勢のルールと行動のルール
第6回
生産性を高める人事評価

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