コンサルタント活動での苦労からも学んだ、識学の有用性
ーーこれまでのコンサルタント活動の中で、苦労した経験を教えてください。
識学を受講したお客さまに実装していただけなかった時は苦労しました。講義中はとても腹落ちしている様子だったのですが、翌週訪れたら実装していなくて……。でも、実装していないパターンの多くは、トップが自責になっていないことが理由なんです。組織というのはトップが作ったルール・仕組みのもと動いています。組織に問題があるということは、トップが作ったルール・仕組みが機能していないということ。そう考えずに「あいつらがダメなんだ」と他責にしているので、実装まで至らないんです。
ーーそれをどのように乗り越えたのか教えてください。
この場合、まずはトップを自責思考にすることが重要で、今はそれを識学のロジックに入れています。識学を受講していただくからには、しっかりインストールしていただきたいので、自責ではない発言などがあったら、随時指摘させていただいています。それでも腹落ちしないようでしたら、トレーニングを一旦中断してでも腹落ちしていただくまで話し合い、次に進むようにしています。
ーーこれまでのマネジメント支援(トレーニング)の中で一番印象に残ったケースを教えてください。
ある動画制作会社さんのエピソードなんですが、トップのインストールが終わり、幹部クラスに対して1〜2回目の研修をしている時、識学の考え方に対してすごく反発されました。「識学の理論はおかしい」「私はそう思わない」と。ただ、反発をしている人たちは、会社を良くしたいと強く思っているんです。ですので、そのエネルギーをうまくコントロールし、まずは実践してもらうよう努めました。
具体的には、トップが目指している方向性が識学の理論であることを伝えたうえで、「まずは一回実践してみましょう。実践してうまくいかないようでしたら元に戻せばいいんですから。実践しないより実践したほうがいいですね」ということを根気よく伝えました。すると、3回目以降のトレーニングから見違えるように変わって。研修中の集中力がどんどん上がっていっただけでなく、メンバー同士で集まってその日に学んだことを踏まえて「うちの会社は、ここを変えたほうがいい」などと話し合いが行われるようになったんです。今まで正解かどうか分からないことに対し、白黒付けたことでジャッジも早くなり、組織も順調に成長していると聞いております。