優先すべきは個人ではなく組織
ーーなぜ識学に興味を持ち、入社することになったのか教えてください。
識学の原理原則を知り、自分と世間の間に大きなズレがあると感じたことがきっかけです。というのも、ホテルに勤務していた頃はもちろん、新聞奨学生や大学の応援団時代は常に忙しい状況に身を置いていました。なので、勝手に「仕事は忙しくて当然」と思い込んでいたんです。大学で勤務してからも運動部の監督としてだけではなく、ボランティア活動にも積極的に取り組み、自発的に忙しい状況を作っていました。例えば、沖縄県に鉄軌道を誘致するため、沖縄県鉄軌道県民会議の代表として沖縄県庁主催のイベントで講演等もしていました。地域からは評価される一方で、周り(大学関係者)を見渡すとそうでもなく、「どうしてみんなはやる気がないんだろう?」と疑問に思っていました。
こんな環境にいては自分自身の成長が見込めず、転職活動をスタートしたんです。そこで、頑張った分だけ評価される環境に身を置きたいという理由で、転職サイトからスカウトされた外資系の金融機関から内定をいただいていました。そんなタイミングで識学からもスカウトされ、入社まで時間があるからと試しに話を聞いたら、自分の考えがズレていることに気付かされたんです。
それまでは「こうすることが大学のためになる」や「社会人たるものこうでないとダメ」など、個人の尺度で決めつけていることが多くありました。組織の尺度を無視していることで、周りの学生・教職員に対して弊害になっていることにも気付いていませんでした。根本的な考えを直さないといけないと思ったのと同時に、自分と同じように悩んでいる人もいるはずなので、伝える側になりたいと思って識学に入社することにしました。
ーーこれまでのコンサルタント活動の中で苦労した経験を教えてください。
組織マネジメントへの尺度は高い一方で、業界への尺度は受講している方には勝てず、「うちの業界では識学の理論は通用しない」などと言われたときは苦労しました。
ーーそれをどのように乗り越えたのか教えてください。
識学は経営コンサルではなく、あくまでも組織コンサルなので業界の尺度は関係ないんです。識学を否定するのではなく、まずは実践していただくことを徹底した結果、業界の尺度が受講者より劣っていても効果を発揮していただけるようになりました。少しずつですが、業界の尺度も上がって受講者から信頼されるようにもなりました。
ーーこれまでのマネジメント支援(トレーニング)の中で一番印象に残ったケースを教えてください。
何かの縁なのか、私は長崎県の企業を担当する機会が多くあります。識学で組織作りをしている企業には共通言語があるので、企業間の交流やビジネスマッチングがスムーズです。その結果、全国でも珍しい異業種間のコラボが続々と実現しました。地元のメディアにも取り上げられたので、とても印象に残っています。
その他、不動産企業とも縁があり、私が担当する九州地域内の不動産企業同士の交流も活発に行われています。県を跨いでの視察&交流だけではなく、それぞれの企業の特色を共有して自社に取り入れたり、SNSでお互いの企業の紹介をしたりしています。識学という共通点で和が広がっていることに、私自身も大きなやりがいを感じています。