スペシャル対談13

識学は、組織が機能不全
起こす前に受けておくべき理論

株式会社RITA-STYLE
代表取締役
倉崎 好太郎 氏
株式会社識学
福岡支店長 識学講師
松原 博久

九州地方で話題の短期集中型ダイエットジム「RITA-STYLE(リタスタイル)」を運営しているのが、株式会社RITA-STYLEだ。専属のトレーナーがマンツーマンで痩せやすい体づくりや食事指導などを行うことで、ダイエットの成功を徹底的にサポート。独自のダイエットメソッドが評判となり、着実に会員数・店舗数は拡大していった。しかし、その成長の裏側では、組織内におけるさまざまな課題に悩まされていたと、同社の代表を務める倉崎氏は振り返る。組織における課題を、識学を取り入れることでどのように乗り越えていったのか。講師を務めた識学の福岡支店長 松原との対談を通じて紹介したい。

識学導入直前は、
組織の機能不全に陥っていた

松原 では、はじめに識学を知った経緯について改めてお聞かせいただけますか。

倉崎 識学を知ったきっかけはFacebook広告です。2017年9月頃、福岡開催のセミナーがあるのを見かけて、組織マネジメントに興味があったので参加することにしました。その時にセミナーの講師を務めていたのが松原さんだったのですが、松原さんへの第一印象は、「すごく淡々としているなぁ……」でした。正直に言うと、識学の概念の話はとても面白くて興味深いけれど、セミナーの進め方に盛り上がりがなかったのが気になっていました(笑)。

松原 そうだったのですね(笑)。それでは、後日識学のトレーニングを受けることを決めていただいたのは、どんな点に魅力を感じたからだったのでしょうか。

倉崎 識学自体にはセミナーを通じてさらに興味が湧いたので、後日会社に松原さんをお呼びして、その時に改めて基礎概念やトレーニングに関する説明を聞いていたら、話の内容がどれも理にかなっていると感じたんです。それと、淡々としているのには「講師個人のキャラクターではなく、識学という商品が良ければ売れるから、あえて人間性を前面に出す必要がない」という理由があることも分かって、なるほどなぁ、と。信頼できそうだと思ったので、トレーニングを受けてみることにしました。

松原 識学のトレーニングを受ける前は、組織にはどんな課題を感じていたのか改めてお聞かせください。

倉崎 当時は常に組織のことで悩み続けているという状態で、一番苦しい時期でした。松原さんに来ていただいたのは2017年の10月頃だったのですが、その頃はちょうど組織内のいたるところで“機能不全”が起こり始めていたんです。例えば、入社から3ヶ月以内に辞めてしまう短期離職者が数ヶ月連続で続出していたり、長く働いてくれていたスタッフの離職も夏〜秋の間に起こったりしていました。また、当時は4店舗を運営していたのですが、各店舗の統括を担っていたエリア統括マネージャーと店長間のコミュニケーションがうまくいっていなくて、「本社VS現場」という構図が見え隠れしていました。

今振り返ると、この問題が起きていたのは、店長がエリア統括を飛び越えて取締役と直接コミュニケーションを取っていたため、エリア統括マネージャーの役割が機能しなくなっていたのが原因だったんでしょうね。取締役は僕の妻なのですが、彼女はプロセスにとことん付き合うタイプのマネジメント方針だったので、当時は店長やトレーナーからの愚痴や相談に夜中の1時2時まで乗って、どんどん疲弊してしまっていました。

お店の仕組みというか、商品のパッケージ自体はすでに出来上がっているので、横展開は比較的容易にできるのですが、その中で働く人、働く人を管理する人が上手く機能していなかったんです。

ルールの明文化・徹底により、
悩みの種だった短期離職は0に

松原 11月から識学のトレーニングを受け始めて、どんなことに取り組まれましたか。

倉崎 現在も取り組んでいる最中ではありますが、「位置」を正すというフェーズに力を注いでいます。特に、「ルールづくり」の部分は徹底的に浸透させようとしています。

松原 元々、御社は倉崎社長の下に他の社員が並ぶという「文鎮型」の組織構造になっていて、位置とそれぞれの役割が上手くはまっていなかったため、色々な行動が阻害され、パフォーマンスが低下してしまっていた……という印象でした。そのため、その位置を正しくするためにルールを作って、その枠組みの中で自由に行動できる状態になさったことで、組織を正常な位置構造に整えることができたのではないかと思います。ルールづくりの段階においては、具体的にどんなルールを設けられましたか?

倉崎 特に効果が出たのは、「教育者としてのルール」の設定ですね。先ほど「短期離職者が多かった」とお伝えしましたが、その原因を追及していくと、「教育者の態度が高圧的」という理由での離脱が多いことが分かったんです。そこで、「教える相手を“お前”呼ばわりしない」「呼び捨てをしない」といったルールをつくったところ、それで離職が止まったんです。

その次に作ったのが、「全グループ共通の姿勢のルール」。この事業以外に2つの事業を運営しているのですが、RITAグループの一員であれば全員が守らなければならないルールを設けました。

松原 グループ全体の姿勢のルールは、具体的にどんな項目を用意されたのでしょうか。

倉崎 「あいさつの仕方」「机上ゼロ」「時間厳守」といったものから、「冷蔵庫に入れたものには記名する。記名されないまま3日以上経ったものは処分してもよい」といった「冷蔵庫の使い方」まで、全部合わせると50以上は作ったと思います。これらは紙に出力して全員に配り、さらに全社員が閲覧できるクラウド上にもアップしました。さらに、現在は本社で働く人のルールや、各部門で働く人のルールもつくっているところです。社員には「姿勢のルールを守れない人は昇格させないよ」と明言しています。

松原 端的に言うと、「位置ズレを起こしている人」ということですね。姿勢のルールを設けたことで、周囲からは何か反応はありましたか?

倉崎 先日、現場とのコミュニケーションや教育が上手くいっていなかったマネージャーに、「ルールがなかった時とある時を比べるとどっちが良い?」と尋ねたら、「あった方が断然楽です」と言っていましたね。彼の反応を聞いた時に、ルールがいかに大切かを改めて実感しました。また、新卒・中途共に、入社した社員の教育をする際にも、ルールの重要性を感じます。例えば、「ウォーターサーバーのタンクは誰が交換するか」といったことまで細かくルールに記載しているのですが、それがなかったら「気づいた人がやるだろう」という他責の思考になりやすく、結果的にその思考が仕事との向き合い方にも影響するんですよね。

松原 今後は識学をどのように浸透させていきたいとお考えでしょうか。

倉崎 組織全体の位置を完全に正すことができたら、今度は識学のメソッドをどれだけ下の階層にも落とし込めるかが重要だな、と考えています。今後は、部下が1人以上いるスタッフに対して、識学の勉強会を実施しようと考えています。ここで彼らに伝えたいのも「位置」の話ですね。「なぜルールを守らないといけないのか」「なぜ上司は部下にルールを守らせないといけないのか」を正しく認識させることができれば、より強い組織に成長できるのではないかと思っています。

マネジメント方針を統一化したことで、
経営陣間でぶつからなくなった

松原 「マネジメント層がプロセスに寄り添いすぎて疲弊していた」という課題に関しては、どのように改善していったのでしょうか。

倉崎 取締役やマネージャーにも識学のトレーニングを受けてもらい、意識を変えてもらうことにしました。

松原 特に、取締役はこれまでのマネジメント方針とは真逆の方法を学ぶことになったと思いますが、どのような変化がありましたか?

倉崎 組織内のルールや役割を明確にして、部下に守らせるフェーズの時に、親しくしていた部下から「何で守らないといけないんですか?」と強い反発に遭ってしまったらしく、「このままではいけない」という気持ちがより強まったようです。僕は彼女よりも先に識学のトレーニングを受けていたので、以前から「あまり仲良くしすぎると、いざピリっとしなければならない時に相手にされなくなってしまうよ」と話していたのですが、それが実際に起こってしまったのはよほど堪えたと思います。

松原 先に痛い思いを経験されたので、その後の識学のトレーニングは納得感が増したのではないかと思います。

倉崎 そうですね。プロセスに付き合わなくなったことで、管理がとても楽になったと聞いています。今までは仕事とは関係のないプライベートの話にまで付き合ってあげて時間を取られていたのですが、良い意味で距離を取るようになったことで、その問題も解消されました。

幹部にも識学のトレーニングを受けさせて良かったと感じる点は、今までそれぞればらばらだったマネジメント手法をひとつにできたことですね。以前は、Aさんはこういう本を読んで、Bさんは別の研修を受けて……というように、みんな手法が違っていたんです。

特に、僕と取締役の間ではマネジメントの仕方でぶつかるというか、喧嘩になることが非常に多かったです。家に帰ってからも、「そんなマネジメントじゃだめだよ。寄り添っていても疲れるだけだよ。今後社員が100人200人と増えた時、一人ひとりに付き合って話を聞くの?」「でも、それが私のやり方だから。前職でも、そうやって後輩達を育ててきた」という言い合いをしていました。

普段は僕を社長として立ててくれて、役割はちゃんと分かれていたものの、マネジメントに関しては、識学のトレーニングを受けるまでは譲れない部分があったのだと思います。

松原 これは私の見解ですが、おそらく取締役も、口では「これが自分のやり方」とは言っても、それが本当に良いのかな、という思いはずっと抱いていらっしゃったんじゃないかな、と思います。倉崎社長から指摘をされて、「たしかにそれはつらいな」という思いはあったはずなので。迷いはあるけれど、何をどう変えたら良いか分からないから、自分なりのやり方を変えられない……というのは、他の組織のマネジメント層にもよく起こりがちです。識学を導入していただいたことで、マネジメントの明確な「軸」ができて、迷いがなくなったのではないでしょうか。

倉崎 たしかに、「マネジメントのやりかたは識学の理論で統一しよう」ということが決まった後は、そういうもめ事が起きなくなりました。

組織の課題が顕在化する前に、
予防的に受けるべき理論

松原 プロセス管理から結果管理に変わったことで、店長をどのようにマネジメントするようになったのでしょうか。

倉崎 各店舗の話でいうと、「入会者数」と「売上」のそれぞれに明確な目標を設定して、週に1回の会議で不足を埋めるために何をするかコミュニケーションを取る、という流れに変わったようですね。

松原 他社の経営者様の中には、会議に参加してプロセスややり方に意見を出すというケースもよくお伺いしますが、倉崎社長の場合はそういったコミュニケーションは取られていなかったのでしょうか。

倉崎 僕が会議に参加して何か意見を言ったりプロセスに干渉したり、ということはなかったです。ただ、オブザーバー的な立場で少し会議を覗くと、「このお客さん、体重が落ちていないけどどうなっているんですか?」というような、経過を管理するような会話や、できていない理由を一生懸命言い合うような場になっているな、という印象はありました。それが、識学を導入したことで、行動変化だけを見るような会議に変わっているようです。

経過ではなく結果で管理されることを各店舗の店長が理解するようになった結果、自発的な行動が増えています。例えば、売上目標を達成する場合は役務提供数を稼がないといけないので、一度ジムを卒業して半年経ったお客様に、「その後いかがですか?」という内容のコンタクトを取るようになったり、足が遠のいているお客様に「そろそろ来ませんか?」というお誘いの連絡をするなど、まだまだ不十分ではありますが、不足を埋めるために動き出している印象で、「何か今までと違うぞ」という雰囲気になっています。

今までって、「店長」という肩書きがあっても店長としての仕事をしていなかったと思うんです。それは、役職を与えられていても具体的に何をやらなければならないのか役割が不明確だったから。その結果、末端のスタッフも取締役に直接相談をしてしまうという状況になって、店長が無責の状態になっていました。例えば、退会希望のお客様=クレームなのですが、それが起きても店長は「自分には関係ない」という意識になっていましたね。そこを、「何か起きたら店長に通して」という仕組みに変えたところ、店長には店長としての自覚が芽生えてきたように思います。

松原 最後に、どんな方に識学をお勧めしたいかお聞かせください。

倉崎 起業をして、組織が10人を超えるぐらいになったら、課題が顕在化していない状態でも予防的な意味合いで受けると良いのではないかと思います。僕自身も、もっと早く識学を知っていたら、手痛い離職や組織間でのぶつかり合いを起こすことはなかっただろうし、マネジメントに苦しまなかっただろうと思います。「このマネジメント方法で正しいんだろうか……」と悩んだり、迷っている時間って、無駄じゃないですか。でも、悩む人が多いから、マネジメントの本がたくさん出回っているんでしょうね。

松原 結局のところ、本を読むだけでは変化を起こすことはできないんですよね。実践が伴っているかどうかが、組織マネジメントの重要なポイントです。その点で言うと、倉崎社長は識学のトレーニングで学んだことをすぐに実践なさっていました。考えるだけではなく、まずはやってみることで、下は良い方向にも悪い方向にも変化していくので、効果も実感しやすかったのではないでしょうか。

倉崎 そういえば、識学のトレーニングを受けてからは、まず部下と飲みに行くことがほとんどなくなりました。以前はたまたま道で店舗のスタッフと会ったらそのまま一緒に……ということもありましたが、最近参加したのは、全社員が集まる経営計画発表・表彰後の懇親会のような、意味のある飲み会ぐらいです。

松原 識学を組織に浸透させるには、倉崎社長のように愚直にメソッド通りやってみる、ということに勝ることはないと思います。仮に、それで失敗したり、下から反発があったとしても、それはむしろ良いことで、その変化を起こすことが組織や一人ひとりの変化を促し、成長につながっていきますし、私が講師を離れたとしても、ちゃんと組織が回っていく状態に出来上がっていきます。そうなっていくことが、講師としてはとても嬉しいです。

プロフィール

株式会社RITA-STYLE
代表取締役 倉崎 好太郎 氏

熊本学園大学卒業後、地元企業勤務を経て、2007年創業。2社の会社を設立し、更なる事業拡大のため
2015年にパーソナルトレーニングジムを運営する株式会社RITA-STYLEを設立。同年、1号店を熊本にオープン。
その後、約2年半で7店舗をオープンさせる。
5年後にグループ全体で売上100億円を目指す。

プロフィール

株式会社識学
福岡支店長 識学講師 松原 博久

法政大学卒業後、SIerへ入社。株式会社リクルートメディカルキャリアへ移り、一貫して医師の転職斡旋に従事。そのなかで組織が拡大、成長していくためには、確固たるマネジメントが必要であることを実感。識学に出会い、その理論、原理原則があらゆる組織の課題解決になると確信し、同社に参画。

会社名 株式会社RITA-STYLE
設立

2015年

所在地

〒860-0863
熊本県熊本市中央区坪井6丁目38-15 建峰ビル5階

代表者

代表取締役 倉崎 好太郎

事業内容

 パーソナルトレーニングジム運営

ホームページ

http://rita-style.co.jp/

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