スペシャル対談5 株式会社識学 大阪支店長 冨樫 篤史 x 株式会社MS・PAINT 代表取締役 山口 轉紀 氏

スペシャル対談05

分裂していた会社をひとつに。
その
きっかけが、識学だった。

株式会社識学
大阪支店長
冨樫 篤史
株式会社MS・PAINT
代表取締役
山口 轉紀 氏

「我々は塗ることで人々の住環境を保護し装う事で景観を美しく保ち 地域社会に貢献し続ける事で社員全員の物心両面の充実を追求する」を経営理念・事業方針に掲げ、戸建て住宅の塗装施工をはじめとするリフォーム業やキッチンの増改築などを手がける企業。それが、株式会社MS・PAINTだ。同社は2012年に福岡県で設立。以降、順調に実績と売上を伸ばし、2016年2月には京都支店の営業を開始した。同社の代表取締役・山口 轉紀氏は、友人から誘われ塗装業のアルバイトを始めたことがきっかけで、この塗装・リフォーム業界の世界に飛び込び、弱冠27歳で会社を立ち上げた手腕の持ち主。そんな山口氏が、なぜ識学に興味を持ったのか。そして、組織内で起きていた課題をどのように解決へと導いていったのか。同氏の講師を担当した、識学大阪支社の冨樫との対談を通じて紹介したい。

トレーニングを受ける前から「救われた」と感じた

冨樫:識学に問い合わせの連絡を頂いたのは、Facebook広告がきっかけだったそうですね。どんなキーワードに興味を持たれたのでしょうか?

山口:たしか、「モチベーションに頼っても組織は動かない」というような言葉だったと思います。ちょうどその頃、当社で私がスタッフと対面でカウンセリングをすると、「モチベーションが上がらないから仕事ができない」という言葉を耳にすることが少しずつ増えてきて。それで、チームビルディングを勉強し始めたものの、結局答えが出ず……どうしたものかと悩んでいたときに、「重要なのはモチベーションじゃないよ」と、いきなり私の悩みに対する答えを突きつけられたような気がして、一度話を聞いてみようと思い立ちました。

冨樫:その時に対応させていただいたのが私だったんですよね。初めてお話させていただいたときに、特に印象に残ったことをお聞かせ頂けますか?

山口:とにかく質問攻めに遭った記憶があります(笑)。今まで誰にもされたことのないような抽象的な、でも何か意図がありげな独特な言い回しで淡々と話を引き出されましたね。「一体この質問で何を読まれているんだろう……」と思いながら、質問に答えました。ところが、聞かれたことのない質問に対して自分なりに「この場はこう答えるのが正解かな」という言葉をチョイスしながら回答したつもりでも、ズバズバ斬られてしまいました……。

冨樫:抽象度の高い20の質問で人の思考状態をチェックする「カルテ」のことですね。この質問の後、山口社長は「ちょっと考えます」とおっしゃって数日後に、トレーニングを受けることを決断されましたよね。その決め手は何だったのでしょうか?

山口:冨樫さんとお話したときに、私の抱えている課題に対する明確な「答え」をお持ちになっていると感じたからです。「とにかく早く現状を改善したい!」という思いが強かったので、まだトレーニングを受けていないのに、「これで解決できるんじゃないか」と救われたような気持ちになったのを覚えています。

火消し作業に追われ、社長業がままならない日々

冨樫:先ほど、「とにかく早く現状を改善したいと思っていた」とおっしゃっていましたが、その頃御社の組織内ではどのような問題が起きていたのか、改めてお聞かせいただけますか。

山口:「モチベーションが上がらないから仕事ができない」という言葉を聞くようになってから、その要因を「火消し作業」のように潰す日々に追われてしまい、本来であれば社長として先々の将来設計を立てなければならないのに、それが全くできていなかったんです。識学のトレーニングを受けるまでは、「これも社長の仕事のひとつなのかな……いや、そんなわけないよな……」と葛藤し続けていました。また、当社には営業・管理・施工という3つの部門があるのですが、すべての部門で常に問題が起きていました。特定の部門内で問題が起きることもあれば、各部門が仲違いをすることもあったり……人のことで頭を悩ませ続ける毎日でした。

冨樫:山口社長のお人柄を象徴するエピソードといえば、スタッフ全員の誕生日やそのご家族の誕生日、さらには「食の好み」まで把握するほど、社員に配慮してモチベーションを上げるために試行錯誤していらっしゃいましたよね。スタッフのことを考えることに時間を割かれていたので、自分の時間が取れない状況に陥っていたのだな、と、このお話を伺った時に感じました。

山口:「それが正しいわけがないよな、でも問題が起きている今はやるしかないよな」というモヤモヤがずっと続いていました。

冨樫:識学の理論では、社長が配慮をすべき方向は、基本的に「マーケット」側。それが、山口社長の場合は、「社員」側にすべてのパワーを取られていました。社員側に合わせにいけばいくほど、組織が機能しなくなり、悪循環が続きます。御社の場合、最も象徴的だったのは、会社を2社に分けていたことです。

山口:その分かれ方というのがまた問題で……。元々は会社ごとにちゃんと役割を分けようと思っていたのですが、結局は気の合わないスタッフ同士が一緒に働かなくて良いように2つに振り分けただけになってしまって。はじめは良かったのですが、スタッフの人数が増えるにつれて、どんどんコントロールが効かない状態になってしまいました。ちょうどその頃、片方の会社のある幹部から「組織を整え直した方が良いのではないか」という声も上がっていたのですが、何が正解か分からない状態だったので、「それもアリかもしれないけれど、まだ社員の気持ちが分かっていない。もっとみんなの気持ちを理解してから判断したい」という思考に陥ってしまっていました。今思えば、当時の自分は本当に優柔不断でしたね。

冨樫:2社を経営されているというお話を聞いたときは大変驚きました。たしか山口社長にも、「それはめちゃくちゃ難易度の高い経営をされていますよ」とお話したのを覚えています。役割を明確にして分社化している分には全く問題がないのですが、山口社長の会社の場合は、同じ機能を2社が分担していました。そうすると、間接部門のコストが2倍になってしまいますし、2社が仲違いをしているため、片方がもう片方の足の引っ張り合いをしているという状態で。同じルールによって動く自立した組織なら良いのですが、そういうわけではなかったのが大きな課題でした。

「決められなかったリーダー」がわずか1ヶ月で激変

冨樫:識学のトレーニングを受けてから、どのような変化を実感されましたか?

山口:うーん……実を言うと、僕自身は「自分が大きく変わった」という感覚はないんです。でも、冨樫さんからはよく「変わりましたね」とお褒めの言葉をいただきますよね。逆に、私から冨樫さんにどのあたりが大きく変わったかお聞きしたいです。

冨樫:識学を受ける前の山口社長は、いわゆる「決められないリーダー」の典型でした。ところが、多くの社長は、トレーニング序盤に出される「ルール決め」という宿題に苦戦されるのですが、山口社長の場合はすぐに行動に移されていたのが印象に残っています。組織図の再編や業務フローの作成などのルールを早期に固めたことで、スタッフは「誰が誰を評価するのか」をちゃんと認識できるようになり、組織内のズレが発生しにくい土台を固めることができたように思います。それまでは、部下が自分の上司ではなく山口社長に話をするという「1個飛ばし」が起きやすい状態でしたが、ルール決めによってそれが発生しなくなりましたね。しかし、最も大きな変化は、トレーニングを始めてわずか1ヵ月後に2社を統合することを決断され、さらにその翌月には統合をされたことではないでしょうか。統合の決定をスタッフの方々にアナウンスしたときは、どのような反応がありましたか?

山口:もちろん、大反発を食らいました。ほとんどのスタッフが私の決定を受け入れられない、という様子でした。そういう反応をされるのは覚悟していたので、その時は自分自身がこの会社を失う前提で話をしました。ただ、不思議なことに、その頃には自分の判断に一切迷いがありませんでした。それくらい、識学の理論は間違っていないという確信がありましたから。「社長が会社を統合するつもりなら、私たちは仕事をボイコットして独立します」と言われたときも、識学で学んだことをスタッフに淡々と伝えました。「今、識学のロジックに当てはめるとこの会社はこういう状態になっている。このまま進めば、今は順調に見えても間違いなく組織は崩壊してしまう。だから、それを回避するために、会社の統合を決めた。今、ルール決めをしているのも、会社が成長するために必要だからやっていること。社長が組織の中で一番上にいるのは、偉いとか偉くないとかじゃなくて、遠くを一番見渡す役割だから。だから、遠くに見える障害物を回避しないと危ないと言っているだけ。私の判断に納得いくかどうかをあなたたちが決めるのは違うんだよ」という話をしました。

冨樫:それまで社員に気を遣って「納得感」を作りにいっていた社長が、「納得なんて関係ない」と言い切れるようになったわけですね(笑)。

山口:僕が識学を受ける前から「人員配置を換えた方が良い」と僕に提言してくれた社員が2社のうち1社のトップで、会社におけるナンバー2だったのは、大きな幸いでした。彼のおかげで、識学の理論を浸透させ、統合のスピードをアップさせることができました。

冨樫:山口社長のすごいところは、今までのマネジメント方針とは真逆のやり方をやり遂げたこと。これまでに色々な企業の社長のトレーニングを担当させて頂きましたが、ここまで恐怖心を取り払って突き進まれる方はなかなかいらっしゃいません。トレーニング前の山口社長の思考を知っている分、このスピード感で突き進まれたのは意外でした。

山口:実は、もう1社の方の主力メンバーが根こそぎ辞めてしまったので、7月の売上は1/3以上落ちました。

冨樫:でも、その時も平然とされていらっしゃいましたよね。

山口:「あなたたちのことは大好きだし、一緒にやりたいけれど、決めたルールに乗れないのなら辞めてもらうしかない」という話をしました。だからと言って、もちろん悲しくなかったわけではありません。個人的な情はあります。でも、会社は会社、自分は自分。そう切り分けられるようになったのは、識学のトレーニングを受けたからです。その一方で、会社に残る決断をしてくれたスタッフたちに対しては、より一層大切にしたいという思いが強くなりましたね。

識学は、「組織のあり方」を学べる学問

冨樫:現在の御社のご状況についてお聞かせください。

山口:会社の統合を行った後は、当初意図していた通り、営業部門と施工部門が明確に分かれたひとつの組織として再編することができました。また、組織の再編のタイミングで人員の配置も大きく見直した結果、スタッフ一人ひとりの残業時間が格段に減り、定時で帰れるようになりました。というのも、幸いなことに、「この役割を誰に任せればいいのか」を改めて考えたら、ちゃんと社内に適任者がいたんです。私自身も、識学のトレーニングを受ける前までは毎日ひっきりなしに電話が鳴って、深夜までスタッフの相談に乗っていたのですが、今では1週間前の着信履歴を見ることができるほど、電話が鳴らなくなりました。また、数字の管理や銀行とのお付き合いに関しても、管理部門のスタッフに任せられるようになりました。時間に余裕が生まれた分、各部門の管理職が正しい目標設定をできるようになった結果、現在の粗利は以前の2倍近くにまで増えました。

冨樫:採用の方法も変わったと以前おっしゃっていましたよね。

山口:そうですね。以前はどうにか人材を確保したいという思いから、私が求職者に対して耳触りのいい良いことばかりを伝えて下手に出ることが多かったのですが、これも今思えば、組織の上下関係を曖昧にさせる原因になっていました。今は、面談時に「入り口やミーティングスペースはカフェのようなつくりになっているけれど、この壁の向こうは“戦場”だからね。働きやすいベンチャー企業のような感覚で入ってギャップを感じてしまうようであれば、お互いのためにならないので辞めたほうが良いよ」とまで言えるようになりました。「厳しいことを伝えたら人が採れなくなってしまうのでは?」と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、むしろその逆です。会社のスタンスを理解した上で入社するので、いきなりアクセル全開で業務に向き合おうとしてくれるスタッフが増えました。また、最初は戸惑ったとしても、耐えられる人材も増えています。働く中で成果を出し、後からモチベーションがついてくるという状態になっています。

冨樫:最後に、識学を検討されている方へのメッセージをお願いします。

山口:勇気を出してリーダーが行動を変えれば、組織は必ず変わる。それが識学だと思います。私は識学を受けるまで、自分や会社の5年後・10年後がどうなるのか考えるのが不安で仕方なく、充実感を得る余裕もないような状況でした。それが今では、元々思い描いていたビジョンに手取り足取り誘導しなくてもまっすぐ目指せる環境が整いつつあります。「組織のあり方」を学ぶことができる学問だということを、一人でも多くの人に伝えていきたいですね。

プロフィール

株式会社MS・PAINT
代表取締役 山口 轉紀氏

1984年、福岡県生まれ。21歳の時に塗装業のアルバイトを始めたことがきっかけで、建物を美しく装う仕事に触れ、自分の作品が町の景観の一部になる喜びを実感。現場で経験を積み、2012年には27歳の若さで株式会社MS・PAINTを設立。福岡県を主な拠点に、地域に根付く事業を展開している。

プロフィール

株式会社識学
大阪支店長 冨樫 篤史

1980年東京生まれ。立教大学卒業後、現東証1部 株式会社ジェイエイシーリクルートメントにて12年間勤務し、主に幹部クラスの人材斡旋から企業の課題解決を提案。名古屋支店長や部長職を歴任し、30名~50名の組織マネジメントに携わる。組織マネジメントのトライアンドエラーを繰り返す中、識学と出会い、これまでの管理手法の過不足が明確になり、識学があらゆる組織の課題解決になると確信し同社に参画。

株式会社MS・PAINT
会社名 株式会社MS・PAINT
設立 2012年
所在地 〒819-0162
福岡県福岡市西区今宿青木1024-2
代表者 代表取締役 山口 轉紀
事業内容 高機能塗料のご提案、責任施工、屋根外壁長寿命化のご提案、
室内リノベーション、エクステリア用品販売取付、カーポート、
ウッドデッキ、足場仮説工事、下地補修、防水、シーリング、
大工工事、クロス、床張り、パーテーション、特殊左官工事
ホームページ https://ms-paint.com/

 

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