組織マネジメントの「背骨」として活用

「曖昧さ」の削ぎ落としで
組織は
もっと強くなる。

株式会社ピアラ
代表取締役
飛鳥 貴雄 氏
株式会社ピアラ
常務取締役
根来 伸吉 氏

恵比寿に本社を構え、ビューティー&ヘルス市場に特化したECマーケティング事業を手がける企業。それが株式会社ピアラだ。同社は「ECトランスフォーメーション(“デジタル化”をECの領域で解釈した概念)」に積極的に取り組んでおり、テクノロジーを活用し、リアル(実店舗)も包括した独自のECプラットフォームによって新たな価値を創出している。マーティング活動を最適化かつ効率化することで、クライアントだけでなくエンドユーザーを含めたEC体験をより良いものへと変化させていくことが強みだ。2002年の創業以来、順調に業績を伸ばし、2018年12月には東証マザーズ上場まで果たした同社の代表取締役・飛鳥貴雄氏と、組織のNo.2である常務取締役の根来伸吉氏は、どういった経緯で識学のトレーニングを受けることになったのだろうか。そして、トレーニングを経てどんな変化を実感しただろうか。詳しく伺ってみた。

経営者仲間からの熱烈な推薦がきっかけで識学を受講

ーーまずは識学を知った経緯についてお聞かせください。

飛鳥氏:時々呼んでいただく経営者の集まりがありまして、そこでは会食の前に勉強会を行っているのですが、私が参加した日に識学の梶山さんが講師としていらっしゃったのがきっかけです。直接識学に触れたきっかけはその勉強会でしたが、Facebook広告などで存在自体は知っていました。

根来氏:僕はその勉強会の場にはいなかったのですが、元々人事周りに携わっているので、組織づくりにはどういうメソッドがあるのかを色々と見聞きしてきた中で、識学の存在はなんとなく知っていました。結構扇情的な感じでプロモーションされていますよね(笑)。

ーー飛鳥社長は勉強会で識学の概念を知ってどんな印象を受けましたか?

飛鳥氏:話していることの全てを分かり切ることができた、というよりは「言っていることは分かるけれど、どうなんだろう?うちの会社でも浸透させることができるんだろうか?」という気持ちが強かったです。

ーー具体的には、どんな部分に引っかかりを感じていらっしゃったのでしょうか。

飛鳥氏:軍隊的な組織構造なのかな、という点がはじめは気になりましたね。当社の元々の組織構造が、部門間の風通しが良いフランクな社風だったので、上下関係がしっかりしている組織づくりがうちにちゃんとはまるのかイメージが湧かなかったんです。

ーー識学を受ける前は、組織に対してどんな課題感があったのでしょうか。

飛鳥氏:当社には元々経営陣・執行役員・部課長・一般社員という階層しかなかったのですが、組織の中間を担う執行役員・部課長のマネジメントのレベル差の大きさを常々感じていました。

特に、当社は新卒文化で約7割が新卒採用なのですが、若手社員がマネージャーになった時に、経験がないために事業推進力とマネジメント力がうまく機能しないケースが多かったですね。そのため、識学を受ける前には色々な外部研修も実施していたんです。しかし、研修自体を業績にヒットさせるのはなかなか難しく、何かいいものはないかと思っていました。

組織の円滑な指示系統を阻害する「曖昧さ」をいかに取り除くか

ーー識学のトレーニングの最初の「カルテ」では、どんな診断結果が出ましたか?

飛鳥氏:当社は「マーケティングを全て成果報酬でやる」というタイプの会社なので、識学の理論における「結果」の部分は元々ある程度考え方にズレがありませんでした。結果が出ないと数字が出ないので、その場合はどんなに広告を出しても報酬がいただけない、というのが一般社員にまで染み付いていたからでしょう。一方、「位置」の部分に関しては曖昧な部分が多いという診断を安藤さんから受けました。

当社はプロジェクト型の仕事が多かったり、横の部署とのやりとりをすることが多いため、いわゆる「横・斜め方向からの指示」が来やすいんです。別の一階層上のマネージャーの指示を聞いたり、別部門の同じ階層同士で解決したりと、指示系統が結構バラバラでした。

ーー位置のズレを解消するために、具体的にどんなことに取り組まれたのでしょうか。

飛鳥氏:そこを曖昧なままにしてしまうと、どちらの動きが正しいかという話にもなりかねないので、トレーニングを一通り受け終わった後、僕が執行役員に対して識学の「位置」と「役割」と「責任」の部分を全6回にわたってきっちり落とし込んでいきました。「今、あなた達の位置関係はこんなにずれているんだよ」ということを伝えた結果、横の部門間だとはじめはうまくいかない時もありましたが、今では部署同士でプロジェクトがスムーズにいかないときは上同士で役割と責任をちゃんとルール化していく、みたいなことを結構やるようになりましたね。

それを受け、2018年の下期の評価から全部僕がKPIを落としていき、中間層の評価を「役割を部下にどれだけ分解して伝えられるか、責任をコミットさせられるか」というものに一気に変えました。これらを実行したことによって、各階層の役割・責任はある程度明確になっていきました。

ーー評価については識学を受ける前と後でどのように変わったのでしょうか。

飛鳥氏:今までは数字は関係なく、「能力」でグレードを分けていました。しかし、その能力というのが精査してみると結構抽象的な言葉が多かったため、「まあ、できていると言えばできているよね」みたいな、人によって定義の曖昧なものがすごく増えるんですよ。しかも、「別にこの事業にはその能力はそれほど重要ではないよね」というようなものも入っていたり。

例えば、「指導力」だったりとか「問題解決能力」とか、抽象的な言葉で文章になっているので、数字がすごく悪くて評価が低くても、「でもこれはできているよね」みたいな感じになっていきがちでした。また、個人で立てた目標を達成できたかどうかという項目もあったのですが、「TOEICで何点取る」とか、業績に直接関係ないようなことを書いている人もいました。

問題だったのは、各評価項目の比率を個人で勝手に変えられたこと。なので、比率の配分を間違えると数字目標の達成率がSクラス、Aクラス級のメンバーの総合評価が下がってしまうため、評価者が手を加えたりで、さらに主観が入り混じり…という状態でした。

根来氏:今までは「あと3%達成できたらA評価だからおまけしてあげよう」という、人の感情によって評価を甘く見てしまうことが多かったですが、今は営業部門に限らず、管理部門やIT部門、制作部門にも明確な数値目標を定めて完全結果で管理しているので、感情に左右されることなく「達成率100%だからAだね」「これができていないからCだよ」と評価がブレなくなりましたね。

識学は、組織マネジメントにおける「背骨」のような存在

ーー識学を組織づくりに導入されて約半年ほどかと思いますが、今後どんなことに取り組まれていくご予定でしょうか。

飛鳥氏:マネージャー以下の階層に、識学の理論をもっと落とし込んでいき、曖昧になっている部分をどんどん削減したいです。特に、上の階層が下のメンバーの目標設定や結果管理をする際の「分解力」を上げるというのが一番のポイントです。上が下に曖昧さを削ぎ落とした上で上手く役割と責任を渡さない限り、マネジメントは成立しないので、意外に難しいなと思っています。

「一個の商品を売ってこい」というビジネスモデルであれば、意外に識学の浸透は楽だと思うんです。やることが明確ですし。ただ、僕らの事業はクライアントの抱えている課題によってソリューションが多岐にわたりすぎてしまっていて、面も広いので、なかなかそういう曖昧さをなくしにくいところもまだまだ細部にあります。それは、やはりルールにしてきっちり明確化していく必要がありますね。

また、昨年の冬から人事評価が変わって、完全結果で評価されたところに対して社員が何を感じて、どう行動するかが今後の課題ですね。今回、初めて降格降給があったんですよ。うち、今までは一回もないもんね?

根来氏:なかったですね。どちらかというと「社員に甘くて優しい会社」みたいな、ちょっと達成しなくてもA評価もらえるんじゃないとか、そういうのを今回から一切排除したので。それはもう上の認識から変えていっている段階ですよね。

あとは、働き方の部分でいうと、目標に対する責任感が上がっていけばフレックスタイム制の導入なども検討したいなと思います。今までは上司が結構細かいところまで管理して、部下の経過にまで突っ込んでいたので、部下本人が行動変化をおこして業績を上げていくというスパイラルを回していけば、何時からどこで仕事するとか自分で時間選べたりできるかなと。

働き方からどういう結果を出すかではなくて、結果を出しているからこそ働き方の選択肢が得られるんだよ、という形じゃないといけないですよね。

飛鳥氏:役割を果たさなくても自分の主張がどんどん通る、というやり方はブレのない組織を作る上では合わないよね。

ーー冒頭で根来常務は人事周りの統括を担っていらっしゃると伺いましたが、新卒採用の採用基準などにも識学の考え方を取り入れたりされていますか?

根来氏:そうですね。「ゼミで何を勉強したか」とか、「部活・アルバイトでどんなことに力を入れてきたか」なんて、分かりようがないじゃないですか。今持っている個々の能力や考えていることで判断するしかない。だから、自分に対して責任感が強い人とか、自分で意思決定して行動してきた経験のある人じゃないと厳しいね、という基準で選考をするようになりました。元々基準に含まれていた「ポテンシャル」とか「人間味重視」とかではなく、自分で自分の責任をどう果たしたかという部分に注意しています。

飛鳥氏:当社ではクラウドでインターンシップを始めたのですが、単に「ピアラの仕事を学びましょう」ではなく「結果」に対する学生たちの考え方を事前に見ているよね。

根来氏:そのインターンシップでは「仕事は与えられるわけじゃなく、自分で取りにいかないとどうしようもないし、世の中これから大変になるから君たちも大変だぞっていう中で、『会社ってこんなプロフェッショナルが集まって事業を動かしているんだ』という部分を見せていく」というコンセプトがあるので、期限を守ったりという最低限のルールが守れないと新規事業をやりたいとかどうとか言う権利もないぞ、みたいなことをカリキュラムに盛り込んでいます。

ーー識学は飛鳥社長にとってどんな存在ですか?

飛鳥氏:以前、識学を受けた経営者仲間たちと定期的に集まって飲みながら、「“背骨”として識学を入れておくと間違いがないよね」という話になりました。識学は単なるメソッドではなく組織づくりの原理原則を身につけられる理論なので、識学を組織マネジメントの軸にするとブレがなくなります。

ーー最後に、どんな人に識学をお勧めしたいかお聞かせください。

飛鳥氏:これは識学仲間ともよく議論になるのですが、個人的にはめちゃくちゃ人数の少ない組織よりも20人以上ぐらいからの方が向いているのかな、と思っています。

また、大企業に識学を導入する際はこの概念をトップダウンで落とし込んでいくには相当な労力がかかりそうですね。背骨を入れ替えるのって、家で例えたら中心の柱を入れ替えるみたいな話なので。大企業の場合は事業部単位で入れていくのが良いと思います。

会社名 株式会社ピアラ
所在地 東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー29F
代表者

代表取締役 飛鳥 貴雄

事業内容

1、ECマーケティング事業
2、広告・マーケティング事業

ホームページ https://www.piala.co.jp/

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